今月から「子ども・子育て支援金制度」が開始され、児童手当の拡充や保育サービ
スの充実などに充てる目的で、医療保険料が上乗せで徴収されることになった。
この制度は、子どもや子育て世帯を社会全体で支えることを目的とした社会保険
事業であり、少子化や人口減少に歯止めをかけたいとの思惑もある。
しかしこの制度は、各方面から批判が相次いて出ている。
例えば、「この制度は、結婚や出産・子育てを国が強要することにも結び付く内容で
個人の自由の侵害だ」という意見がある。
以前に私も、「社会全体で生活しやすい環境を整える取り組みは大いに結構なこと
だが、国が無理やり子供を産み増やそうとしたり、人口を増やそうとすると大きな
ひずみが生まれるように思えてならないので、やめた方が良い」と申し上げたこと
がある。
徴収された保険料の使い道が不透明であることも加えて、この制度の意義が今一
見いだせない人が相当数いるようだ。
また、「高額な保険料が手取りを減らし、働いても生活が苦しい状況にあるのに、
さらに保険料を増やすとは現役世代を殺す気か」という怒りにも満ちた意見も多数
ある。
予てから私も「減らすべき負担は社会保険料であって消費税ではない」と申し上げ
続けてきており、せっかく社会保険料を減らしていこうとしているのに、その動き
に対して水を差す政策と言っても過言ではない。
社会全体で支えることを目的としているのであれば、全世代が納税する消費税を
財源とすべきではないのだろうか。
一方で、この制度を「独身税」と揶揄し、反対している方には全く同意できない。
この方々は、「子供を産んだこともないし、今後もその予定は全くないのに、何で
私たちが負担しなければならないのか」として反対意見を述べている。
自分の目先の利益のみを考えた何とも打算的な間違った考え方なのだろう。
だが敢えてその打算的な考え方に乗っかるとすると、反対している方々も将来年金
を受給することになるのだが、その財源は他人の子どもたちがやがて大人になって
納付する保険料である。
その方々は、子育てというある種の”苦労”を経ずに自分の年金の財源を確保する
ことになるのだ。
より乱暴な発想で行けば、「子育てという苦労をしていないのだから、受け取る
年金が減額されてもおかしくない」ということにもなる。
つまり、「私たちに関係ないどころか大いに関係がある」ということである。
同世代で「自分達には関係ない」といって反対している人を見ると「なんと浅はか
な事か」とため息が出る。
それでは、今既に年金を受給している世代はどうなのだろうか。
その方々に、「私たちには関係ないし、対策を講じることによって自分たちに不利益
が生じるし、20年後なんて生きているかどうかもわからない」と言われてしまう
と返す言葉がない。
ただ、そんなことをいう人たちを社会全体で支えたいとも思わない。
