先週開催された『日本成長戦略会議』において、人口減少や少子高齢化によって、
人手不足にある中、労働生産性の向上や雇用者の希望に応じた形での労働供給量を
確保する目的で、特に女性の労働参加を進める環境整備として、ベビーシッターや
家事支援サービスの利用促進する政策がいくつか示された。
日本の現状として、家事支援サービス・ベビーシッターは認知されているものの、
価格の高さや心理的抵抗感が強く、利用は限定的となっていることを受けていくつ
かの対策を講じようということのようだ。
と、ここまではよいのだが
その政策の中に、「品質・信頼性向上のため、関係業界と連携し、家事支援サービス
に係る複数等級の国家資格(技能検定)の創設」とあった。
つまり、現状の家政婦等を国家資格化しようとしているらしい。
国がサービス利用を促進する上で、サービス提供者の質を確保するために、担い手
を国家資格化しようとするのはいかにも官僚が考えそうなことではあるが、果たし
てこの資格に意味はあるのだろうかという疑問がわく。
自由市場にまた国がしゃしゃり出てきて、邪魔をするだけのようにしか思えない。
また、公的社会保険サービスである、介護保険制度下における訪問介護サービス
の提供は、介護福祉士以外は国家資格の有資格者ではない人員が担い手となる。
公的サービスではない「家事支援サービス・ベビーシッター」の担い手を国家資格
化して、公的社会保険サービスの担い手は必ずしも国家資格の有資格者ではないと
すると何ともアンバランスだ。
家事労働を”業”としてとらえ、労働に見合う対価を受け取ることができるように
政策を進めることには何の異論もないのだが、国家資格化することには何の意義も
感じない。必要以上に利権を求めようとする官僚の悪い癖だ。
ただし、家政婦等と訪問介護員の資格の垣根を曖昧にすることに乗じて、軽度要援
護者の訪問介護サービスをどさくさに紛れて、介護保険外サービスに位置付ける
狙いがあるとすると、中々狡猾なやり方かもしれない。
私は以前から、軽度要援護者の通所サービスや訪問介護サービスを保険外サービス
としなければ、重度要介護者へお金も人手も回らなくなると訴え続けてきた。
先ほど「狡猾なやり方」と表現したが、本気でそのような方向性を打ち出そうとし
ているのであれば、せこい真似をせず堂々と政策を打ち出してもらいたいものだ。
