財務省は先月末に開催された「財政制度審議会・財政制度分科会」において
持続可能な社会保障制度を構築するうえで、医療・介護の給付の伸びが保険料の
賦課ベースとなる雇用者報酬の伸びを上回っており、このギャップにより、保険料
率は上昇してきたと訴えている。
つまり、現役世代の所得は増えても手取りが減っている状況を是正するために社会
保険給付費の見直しを行うべきだと主張しているのだ。
と、ここまではその通りだと思うのだが、その先がいただけない。
介護サービスの利益率が、過去や他産業と比較して高い水準にあり、サービス類型
ごとに大きな差があるとして、通所介護や訪問介護をやり玉に挙げて、介護報酬を
適正化する(引き下げる)必要があると結論付けている。
もしも、財務省の主張どおりに通所介護の介護報酬を一律で引き下げれば、多くの
人手と手間をかけて要介護度の重いご利用者への日常生活上の支援を中心に行って
いる事業者は経営できなくなるだろう。一方で、麻雀デイサービスなどに代表され
るような、人手と手間をかけずに軽度要援護者の趣味活動支援を中心に行っている
事業者ばかりが生き残ることになる。
社会保障の本質を考えれば、生き残るべきは前者であって、後者の優先順位は決し
て高いとは言えない。
社会保険サービスの本質を見ずに、大雑把な区分で利益率が高いだ低いだと論じて
いる時点で「持続可能な社会保障制度の構築」を語る資格はないだろう。
メスを入れるべきところは、麻雀デイサービスなどに代表されるような、人手と
手間をかけずに軽度要援護者の趣味活動支援を中心に行っている事業者だ。
この手の事業の介護報酬は大きく引き下げるべきだし、同時に人員基準を大幅に
緩和していくべきだ。そして、最終的には介護保険の枠組みから外すことが理想
だろう。
それにしても、社会保険サービスの本質を見ずに、財務省の主張に右往左往して
いる業界関係者を見ていると何とも情けない気持ちになる。
彼らも財務省と同じ穴の○○○のように感じる。
