北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

エセ正義の味方は少し黙った方が良い

2026.5.29

先週の衆議院・厚生労働委員会で、審議中の介護保険法などの改正案をめぐって

参考人質疑で意見陳述に立ったNPO法人代表理事が、中山間・人口減少地域を対象

とした介護サービスのルール緩和を目的とした、人員配置基準の柔軟化がもたらす

弊害として「労働環境のさらなる悪化」「サービスの質を低下させる危険性」などと

強い懸念を示したとの報道を見て思うこと。

 

このNPO法人代表理事って、人員配置基準の内容を理解しているのだろうか。

敢えて砕けた表現をすると、人員配置基準とは「たとえ忙しくても暇でも、決めら

れた時間内は同じ数の人員を揃えろ」という意味である。

この考え方は、忙しいときはそれでも良いのだが、暇なときは仕事が無くて窓の外

をボーっと眺める昭和時代の表現で言うところの”窓際族”を生み出す温床となる。

 

ただでさえ人手が足りていないのに、こんな悪しき慣習を残し続ければ、忙しい場

面で十分に人員を手当てできなくなり、「労働環境のさらなる悪化」を生み出す要因

となる。

 

また、必要がない時間も含めて基準を満たすための人員を配置するとなれば、人材

紹介やスポットワークサービスを利用して不足分の人員を確保しなければならなく

なり、「サービスの質を低下させる危険性」を生み出す要因となる。

 

昨年、大阪市内の特別養護老人ホームで高温の湯を張った浴槽に入居者男性を入れ

て死亡させたとして同ホームの介護福祉士が傷害致死容疑で逮捕されたとの報道が

あった。

事件当時、同容疑者は1人で男性の介助をしていたらしく、同容疑者は現場の施設

の正規職員ではなく、空き時間を使って単発で働けるスポットワークのサービスを

利用していて、事件当日がこの施設の2回目の勤務だったそうだ。

過去に同様の事件がほとんどなかったわけではないのだが、昨今の人材不足と無駄

な人員配置基準が大きく影響しているように思えてならない。

 

このNPO法人代表理事の言うとおりにすると「労働環境のさらなる悪化」や「サー

ビスの質を低下させる危険性」がさらに加速することになるだろう。

我々、介護保険サービス提供事業者のことを考えて発言しているようで、実はあま

り深く考えてはないと言わざるを得ない。

 

政府が示す人員配置基準の柔軟化は、忙しいときには人員を厚く、暇な時には薄く

といった具合に状況に応じて柔軟に対応できるようにしようという考え方であり、

これが実現しなければ、我々にもサービスのご利用者にも地獄が待ち受けることに

なる。

それは、中山間・人口減少地域であればあるほど必要な処置であり、あえて言えば

日本全国で人員配置基準の柔軟化を実行しなければならない状況にある。

 

冒頭の意見陳述に立った人のような、”エセ正義の味方”を黙らせる方法はないもの

だろうか。

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