今月15日に開催された、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会
において、通所介護による「入浴介助加算」の昨年11月審査分の事業所ベースの
算定率が、上位の「加算Ⅱ」はいまだ1割と低迷しているとの報告があった。
この上位加算は、2021年度の介護報酬改定で創設されたもので、算定するため
には、入浴介助にかかわる計画作成や人員確保、職員の研修に加えて、専門職らに
よる利用者宅の浴室環境や動作評価が必要となる。
この上位加算の算定が低迷している原因として、「現場負担が大きいわりに、単位数
が見合っていない」との訴えがあり、基準の見直しを求める声が上がっている。
私は予てから、「加算」という存在に異議を唱えているし、加算等を算定するために
膨大な書類や手続きを要することに対して「無駄が多く、現場負担を増すだけだ」
と訴え続けてきたため、上記の訴えを理解できないわけではない。
しかし一方で、「公的社会保険サービスである通所介護は銭湯ではない」とも訴えて
きた。実際に、自身の身体機能に見合った浴室環境があり、定期的に自宅で入浴し
ているにもかかわらず、通所サービス利用時に入浴介助を求めるケースが数多く
ある。つまり、銭湯代わりに利用している人が数多くいるということである。
先に挙げた上位加算はこうした状況に”メスを入れる”目的で創設された。
その結果は前述した通り1割程度しか算定できていない。たしかに、「現場負担が
大きいわりに、単位数が見合っていない」という側面を否定することはできないが
この加算を算定できていない最も大きな理由は、「専門職らによる利用者宅の浴室環
境や動作評価」を入れてしまうと通所サービスを銭湯代わりに利用していることが
ばれてしまうからだと私は思う。
個人的には、通所介護による「入浴介助加算」の国の考え方や方向性は間違って
いないと考えている。通所サービスを銭湯代わりに利用することを撲滅し、本当に
入浴を含めた生活介助を必要としている人に手厚くかかわるためには、下位加算で
ある「加算Ⅰ」を完全に廃止して、上位加算である「加算Ⅱ」のみを残して、その
加算の報酬を上げることにある。
銭湯に行きたければ、そこへ行けばいい。麻雀がしたければ、そこへ行けばいい。
公的社会保険サービスがこうしたニーズにまで答えていれば、財源も人材も足りな
くなることは火を見るより明らかなことだろう。
