先月開催された『介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会』において、委員
から、質の高いケアマネジメントを実践する体制を評価する「特定事業所加算」を
めぐり、算定要件の見直しを求める声があがったそうだ。
特にその加算の中で最上位加算となる「加算Ⅰ」について、居宅介護支援事業所の
算定率が1%台と低迷していることを受けて、算定要件の緩和を求める声が相次い
だらしい。
ちなみに「特定事業所加算Ⅰ」の算定要件は、常勤の主任介護支援専門員2名以上
主任介護支援専門員とは別に常勤の介護支援専門員を3名以上配置していることや
月の利用者の総数のうち、要介護3~5である人の占める割合が40%以上である
こと、利用者数が介護支援専門員1人当たり45名未満であることなどである。
この最上位加算の算定率が1%台と低迷している理由ははっきりしている。
合計5名以上の常勤の介護支援専門員を配置できないことと45名未満の利用者数
に対して40%以上を要介護3~5の方で占めることができないことにある。
特に、45名未満の利用者数に対して40%以上を要介護3~5の方で占めること
は無理があるし、はっきり言って「質の高いケアマネジメントを実践する体制」と
いう観点に立っても意味不明である。
要介護3~5の中重度要介護者数と比べると要介護1,2の軽度要介護者の数が
圧倒的に多い。加えて中重度者は施設サービス(入所)することが多くあるため、
在宅介護サービスを利用する人はもっと少なくなる。
そこで、利用者数に対して40%以上を要介護3~5の方で占めるためには、数多
くいる要介護1,2の人の支援を断る必要がある。このことのどこが「質の高い
ケアマネジメントを実践する体制」なのかはなはだ疑問だし、ご利用者を選り好み
している以外の何物でもない。
本来加算とは、サービスを提供する上で必須となっている要件を満たしつつ、より
質の高いサービス提供を実践する取り組みに対して評価し手当てするものである。
居宅介護支援事業所は、ご利用者を選り好みすることは禁じられているため、要介
護1,2の人の支援を断っている時点でルールを破っていることになる。
つまり、サービスを提供する上で必須となっている要件を満たしていないという
矛盾がこの加算にはある。
だいたい、「質の高いケアマネジメントを実践する体制」を評価する上で、要介護度
の割合を基準に定めるという発想があまりにも貧相であり、明確な根拠も見当たら
ない。
サービスの質ではなく”加算が独り歩き”している典型的な加算といえる。
