昨日、某テレビ局の報道番組にて『ケアマネジャー不足』がテーマとして取り上げ
られていた。
高齢者介護の業界に身を置く者として、報道で取り上げていただくことは大変あり
がたいことではあるが、取り上げられていた内容が非常に表面的な”お涙頂戴”的で
あったほか、些か首をかしげることが多く含まれていたことが非常に残念だった。
主に取り上げられていたことは、「要援護高齢者が増え続けているにもかかわらず、
ケアマネジャーの数が横ばいからやや減少傾向にある」ことや「シャドーワークが
多く日常業務に大きな影響を与えている」と言った内容で、「シャドーワークを減ら
して、給与を上げることが解決策」といった締めくくり方となっていた。
番組内のシャドーワークの取り上げ方が、「ケアマネジャーはこんなに苦労してい
る」と言いたいだけの構成となっており、本質が何も見えていないことがとても
気になった。
また、国全体の生産年齢人口が減り続けている中で、給与を少し上げたくらいで
ケアマネジャーの数が増えるのかと言えば、そうはならない。
今一番問題となっているのは、「ケアマネジャーが辞めていく」ことだ。
勿論、やめていく理由は様々だし、高齢になって辞めていく人もいるが、少なくと
も辞める理由の一番手は「シャドーワークが多いから」ではないはずだ。
私自身、「ケアマネジャーを続けたくない」と思う一番大きな理由は、明確な意図も
意義もない『資格の更新制』にある。
このたび、ケアマネジャー資格の更新制の廃止が正式に決まったのだが、改正法の
施行後は、更新研修を受講しないと直ちに資格を失う現行のルールがなくなるとの
ことであるが、一方で一定の研修の受講がケアマネジャーの義務として改めて位置
付けられる。
この義務化の意味するところは、「ケアマネジャーとして業務に従事したければ国が
決めた研修を定期的に受けなければならない」ということであり、”資格の更新制”
以外の何物でもない。厚労省は、はなから更新制を廃止する気などさらさらないの
である。
当ブログで何度となく取り上げているこの更新研修は、本当にひどい内容であり、
受講は苦痛以外の何物でもない。この苦痛は、「つまらないから」といったことでは
なく、人を馬鹿にしたような内容を長時間かけて永遠と行うことにあり、それに
見合わない高額な受講費を請求されることにある。
私は、高齢者介護にかかわる情熱を失ったわけではないのだが、国にここまで馬鹿
にされてまでこの資格で仕事をしたいとは思えなくなってきた。
それから、番組内で取り上げられていた内容で訂正しなければならないことがある
それは、「ケアマネジャーがいないと要援護者は介護保険サービスを利用することが
できない」といっていたが、これは”ウソ”である。
ケアマネジャーの介入が無くても介護保険サービスを利用することは可能である。
某テレビ局の報道番組は、視聴者の多くを占める高齢者にウケるテーマとして取り
上げただけではないかと思えるほど、取材力不足の薄っぺらで事実に反する内容も
含まれている”見る価値の低い”番組だった。
見終わった私の感想は、「これなら取り上げてもらわない方がよかった」である。
