昨今、医学の発展に伴い、「性格による」と片付けられてきたものが、
病気や障がいに起因することが明らかになってきたものが多数ある。
例えば、
非定形型うつ、パニック障害、適応障害などの心の病が挙げられる。
『非定形型うつ』の症状は、
普段は気分の落ち込みが激しいのに、楽しいことや興味のある出来事があるとたち
まち元気になり、その落差が大きい状態になることが多い。
また、常に眠気があり、いくら寝てもね足りない状態が続く。
この状態に、「単なる怠けもんじゃねーか!」と言う方がいるかもしれない。
しかし、
こういった症状は、今置かれている環境や成育歴の影響を強く受けている場合も
あり、自力で改善することが難しいとされている。
そのため、
環境を変えたり、カウンセリングを受けたり、薬物療法を受けたりしながら改善を
図ることになり、周囲の理解も不可欠である。
一方で、
病気や障がいが細分化され、「こういう人はなりやすい。」などの情報を受けると
「私にぴったり合う。だから私も○○という病気なんだ。」とか「だからできない
んだ。」といったように、自分で病気を作って行くことも増えてくる。
自ら病気を作るのではなく、自分の性格や思考パターンを理解して、悪しき方向へ
偏らないように対処することも重要である。
『病は気から』とは、そういう意味のように思える。