昨日、当方が運営する通所介護(デイサービス)へ新年のあいさつを兼ねて
顔を出した。
その際、ある女性のご利用者が別のご利用者に「久しぶりだねぇ~。」と涙を
流して喜んでいた。年末年始、合わなかった程度なのにずいぶんと大袈裟だなと
思って、スタッフに聞くとそのご利用者は入院して約半年間休んでいたとのこと
だった。
通所介護(デイサービス)は、生活上の課題を抱えたご利用者がより豊かな生活を
過ごすことができるようにサービスを提供する事業である。
また同時に、生活上の課題をクリアして、サービス提供を受けずとも豊かな生活を
過ごすことができるように『自立支援』を目指すものでもある。
そのため、通所介護(デイサービス)の利用は、『自立』=『卒業』ということに
もなる。
介護保険サービスは、保険料や公費が財源となっているため、必要のないサービス
を利用し続けることは、『税金の無駄遣い』になってしまう。
しかし、冒頭で紹介したように、継続してサービスを利用することで、ご利用者間
あるいは、事業者との間に情緒的な結びつきが生まれるものである。
自立に成功して、サービス利用から卒業した後、自分の居場所を見つけることが
できずに閉じこもるようになり、支援が必要な状態に逆戻りするという事例を
いくつも見てきた。
『自立支援』を目指しつつ、『情緒的な結びつき』を保つといったバランス感覚や
新たな社会資源を開発する能力が介護支援専門員(ケアマネジャー)に求められて
いる。