ここのところ、
国内においても国際の場においても、物騒な話題があふれているように思う。
『自尊』は、時に「うぬぼれや傲慢」といった否定的な言葉として使われることが
ある。
一方『自愛』は、「自然の摂理や相手への思いやり」といった肯定的な言葉として
使われることがある。
いずれも、「自分を大切にする」という点においては、同義語と言えるのだろうが
使い方によってニュアンスが変わってくる。
日常生活の中で、「自分を大切にできない人は、他人もやさしくなれない。」と
いったセリフを聞くことがある。
このセリフを聞くたびに何とも納得できないモヤモヤが心の中から湧いてくる。
自分を大切にすることは、生物学的にはごく当たり前のことであろう。
自分の身を守ることによって、子孫の存続や繁栄に結びつけることがDNAに
刷り込まれているのだから。
それが、外敵から身を守るための策を講じることへとつながり、
そして、争いごとへと発展していく。
人間が生物である以上は、争いごとから解放されることはない。
それでも、
争いごとや戦争によって、多くの人間が傷つくことにだけはなってほしくない。
自尊や自愛を語る「自分を大切にできない人は、他人もやさしくなれない。」では
なく、「他人の違いを理解し、認めることによって、相互がやさしくなれる。」と
いう考え方が正しいように思う。