『ADHD』という言葉をご存じだろうか。
医療、特に精神科や小児科の分野では非常にメジャーな病名であり、日本語では
『注意欠如多動性障害』と呼ばれており、集中力のなさ、落ち着きのなさ、順番
待ちができないなどの3つの特性を中心とした発達障害のことを指す。
幼少期に発症することが多くみられるこの障害は、大人になっても持続する場合が
あり、遺伝的な要因が強いと言われているが、原因は未だにはっきりしていない。
斯く言う私も幼少期から同様の症状を自覚していた。
苦手と感じることへの集中力が持続せず、周囲の子たちが難なくクリアできている
ことも上手に対応できないことが多かった。
しかし、好きなことや得意と感じていたことへの集中力は、周囲の子たちに引けを
取らないばかりか圧倒することも多かった。
いずれにしても、「何か周りの子たちと自分は違うなあ。」とモヤモヤしていた。
中学生となり、ひょんなことがきっかけで『ADHD』の存在を知った。
丸っきり自分の状態とぴったり合うことに驚いたと同時に、おかしな言い方かも
しれないが、モヤモヤが晴れてとてもうれしかったこと記憶している。
それ以降は、『自分の特性』と認識し、試行錯誤しながら様々な問題解決の方法を
考えて、目の前にある諸問題にあたることとした。
未だに解決できていないことが多く残ってはいるものの、社会人として、経営者
として何とかここまでやって来れたのは、比較的早い段階で『自分の特性』に気が
付くことができたからではないかと感じている。
私の周りにも、似たような特性を持った方々が少なからずいらっしゃる。
自分自身の経験から、
弱みとしてコンプレックスを感じるのではなく、『自分の特性』と認識することで
未来が開かれるとアドバイスしたい。