昨日のブログで、「国内の99%は、中小零細企業である。」と伝えた。
日本人は、よほど『小規模』という言葉が好きらしい。
規模が小さいほうが、「家庭的で温かみがある。」とか「小回りが利いて細部まで
行き届く。」といったメリットを連想させる。
介護保険サービスにおいても、小規模なデイサービス、小規模多機能型居宅介護、
看護小規模多機能型居宅介護、地域密着型特別養護老人ホーム(小規模特養)など
のサービス種別の他、ユニット対応という考え方がある。
しかしこの『小規模』は、スケールメリットを生かすことが難しく、生産性が低い
上にお金がやたらとかかる。
そのため、国は『小規模』な企業や事業を救済しようと様々な助成や優遇を行って
いる。
財政に余裕があるうちはそれでよかった。
財政が苦しくなると途端に『梯子外し』が始まる。
助成や優遇を失った企業は倒産し、事業は廃止される。
大量生産の既製品は「安かろ悪かろ」、オーダーメードは「高いだけに既製品より
高品質」が世間一般の常識とされているが、果たして本当だろうか。
「ユニクロ」の商品が国内外でうけているのは、品質が高いのに低価格だからでは
ないだろうか。
小規模で手間暇かけているからと言って『高品質』とは限らない。
グローバルな視点で見れば、「高品質低価格」が一般常識で、「高品質高価格」は
単なる贅沢となりつつあるが、日本人は『小規模の美徳』という呪縛から中々抜け
出すことができない。