私の知る限りではあるが、多くの医療や介護関連企業(法人)の理念には、
「地域社会への貢献、地域と共に歩む」といった文言が入っている。
しかし、これも私の知る限りではあるが、その企業の多くは、自分たちが運営する
施設の周辺地域の事情など全く知らない(知ろうともしていない)。
自分たちが運営する施設の中での出来事のみに注視し、施設と契約関係を結んだ
利用者やその家族との関係のみにサービス提供を行う。
そのこと自体は間違いではない。当ブログで何度も言っているように収益を上げ
なければ適切な運営を継続することは難しい。
ただ、理念とは企業が向かうべき方向を示すものであり、そこで働く職員の道標と
なるものでもある。
興味関心がないのであれば、「法人運営の安定、顧客満足度の向上」といった理念
に変えればよいと思う。
でも・・・、もう一度よく考えてほしい。
多くの医療や介護関連企業(法人)は、社会保障制度のもとで事業を行っている。
社会保障制度とは、一人(自力)では対処することができないような人生や生命を
大きく左右する事柄について社会全体で支え合おうという制度である。
「自分の会社や事業さえ上手く運営できていればそれでいい。」という考えは、
社会保障のそれとは大きく乖離する。
地域全体で支え合いが実現することで、地域住民の豊かな生活が保障される。
その中で、医療や介護関連企業(法人)の役割は非常に大きいと考えている。