来年開催される『東京オリンピック・パラリンピック』のマラソンや競歩の
競技会場を東京から札幌市へ移転するということが最近話題になっている。
今まで時間と労力をかけて準備してきた関係者や出場予定選手に対しては、本当に
気の毒に思う。
この土壇場に、鶴の一声で決められた感がある『変更』には多くの国民が疑問を
持ったのではないだろうか。
しかし、そうであっても「その発言はどうなんだろうか?」と思ってしまうのが、
主催者の代表である小池百合子都知事の「もし会場が変更されるような事態に
なれば、都は(経費の)負担はできない」というものである。
『東京』と冠が付く祭典で、経済効果等の恩恵を受けることができるのは東京都を
中心とした関東圏が大部分であろう。
それでも、日本国民全体がその祭典を楽しみにしているだけではなく、直接あるい
は間接的に成功するために尽力している。
「日本国全体でこの祭典を盛り上げ、成功させよう。」というマクロな視点がなけ
れば、「じゃー東京だけで勝手にやってくれよ。」といって地方の方々からそっぽ
を向かれてしまうではないか。
ついでに言うと、札幌市の行政しかり、市民しかり、今回の移転話しをもろ手を
挙げて喜んでいるわけではない。まして、自ら立候補したわけでもない。
予定していた祭典や旅行の日程変更を余儀なくされた団体や個人もいれば、日常
生活に支障が出る市民もいる。
感情に大きく左右され、マクロな視点が持てない方は政治家失格ではないか。