当方で今後手掛ける予定の事業に対して「大いに参考になる。」と同業者の
(株)ライズリング渡辺社長の紹介で美瑛町にある『社会福祉法人美瑛慈光会』さん
を訪問することができた。
美瑛町は、観光地として有名で道外、国外から毎年多くの観光客が訪れている。
その一方で、東京23区がすっぽり入ってしまう面積を有する広さに1万人弱の人口
しかいない地域で、利便性から年を重ねるごとに生活を継続することが難しくなる
地域でもある。
デイサービスの送迎で50㎞以上車を走らせることはザラにあり、1時間では施設
まで戻ってくることは難しい状況にあるそうだ。
そういった地域特性を鑑みて、前述の法人の安倍理事長が中心となり、町や地域
住民と共に『地域コミュニティの再構築』を図ることとした。
同理事長のお話の中で非常に感銘を受けたこととしては、「市街地に施設や建物を
集中させるのではなく、生活圏域ごとに小規模な施設等をつくる発想が重要で
ある。」といった内容についてである。
今でこそ聞きなれた「生活圏域ごとに」という発想を20年近く前から持ち、更に
認知症デイサービスとグループホーム、自主事業の宿泊サービス等を組み合わせて
実践されていた。
その取り組みが、土台となって現在の『小規模多機能型居宅介護』という事業が
制度化されたと聞いている。
決して大きくはない施設を生活圏域ごとに点在させて、そこが老若男女問わず地域
のコミュニティー拠点として存在している。
そこには、暖炉で肩を寄せて語らう姿や野菜の直売所で活気あふれる姿が目に
浮かぶ情景が広がっていた。
これから我々が進もうとする道標となってくださる先輩がいらっしゃることへの
感謝と勇気が湧いてくる施設見学となった。
お忙しい中、ご対応いただいた安倍理事長、伊藤理事には多大なる感謝を申し上げ
たい。また、同行いただいた渡辺社長にも感謝したい。