ここ最近、毎日のように人材紹介・派遣会社から電話連絡が来る。「看護師さんは
足りていますか?優秀な介護スタッフを紹介しますよ。」などなど・・。
はっきり言って、うんざりである。
多くの高齢者介護事業には、『人員基準』という法的に守らなければならない
ルールがある。その基準を満たすことができなければ、指導の対象となり、それで
も改善されない場合には、指定取り消し(営業停止)の処分を受けることもある。
当然、企業(法人)は、法的に必要な人材を確保するべく、求人活動を行う。
それでも、中々必要な人材を集めることが難しい現状にあるため、前述の派遣会社
などから人材を紹介してもらうことがある。
おかげさまで、当方ではそういった派遣会社を利用することなく、ここまで事業を
拡大・継続することができている。
独立前に勤めていた法人などでは、どうしても人材を集めることが難しく、派遣
会社からの人材を受け入れていた。
派遣社員は、『フリーランス』とよく混同されがちであるが、内情は大きく違う。
フリーランスは、特定の組織に属さず、自らのスキルを武器に外注で業務を請け
負う個人事業主である。
組織内部で完結できることをわざわざ外注することはないため、フリーランスには
その組織にはない高いスキルが求められる。
派遣社員は、基本的に派遣会社に所属している。
そして、我々の業界における需要の多くは、前述のように指定取り消しを回避する
ことが主な目的であるため、「資格を持っていればスキルは無くてもいい。」と
いう場合が多い。
独立前に勤めていた法人に来ていた派遣社員を何人も見てきたが、『就業時間に
ただ存在している人』ばかりであった。
にもかかわらず、派遣会社への支払い分を合わせると、所属スタッフの1.5倍~2倍
の報酬をその派遣社員へ支払うことになる。
その結果、企業(法人)の人件費が高騰し、事業運営がままならなくなる。また、
所属スタッフはその様を見て辟易し、離職していく。
私の知る限りではあるが、派遣社員の多くは「自由=適当でいい」と勘違いして
いるのではないかと思える。
非常に残念ではあるが需要がある限り、派遣会社もそのような派遣社員も存在し
続けるであろう。
それならば、大した理念を持ち合わせていない派遣会社やろくなスキルを持ち合わ
せていない派遣社員を選ばないようにするしかない。
そうすることで、派遣社員もフリーランスに近づいていくのではないだろうか。