「多数決って、本当に正しいのだろうか?」と思うことが多い。
10月に消費増税が施行され、『年金受給高齢者の生活が危ぶまれている』と
いった話題をよく耳にする。
しかし、生活が危ぶまれているのは、相対的に見て高齢者なのだろうか。
日本の公的年金制度は、『賦課方式』を採っているため、高齢者が受け取っている
年金は、現役世代が支払っている保険料を財源としている。
高齢者が増え続け、子供が減り続けている昨今、現役世代が支払う保険料は年々
うなぎのぼり状態にある。
また、今回の消費増税分を財源として介護保険制度にかかる報酬が増額された。
介護保険制度は、40歳以上でなければ利用することができない。
しかし、消費税は20、30代の若者も多く支払っている。
さらに言えば、20、30代の社会に出て間もない世代は、高齢者と相対的に見て
多額の貯蓄をしている可能性は低い。
これから多くのお金を必要としているにもかかわらず、負担ばかりが重く
のしかかる若者が「結婚できない。子どもは作れない。実家から独立できない。」
のは、その他の社会的要因や背景を差し引いても必然であろうと思う。
今一番、生活が危ぶまれているのは、20、30代の若者であろう。
その世代が声を上げても『多数決の正義』によって、かき消されてしまう。
なぜなら、その世代は国民全体の2割程度しかいなのだから。
高齢者ではなく、若者を救済する公約を掲げれば、間違いなくその政治家は選挙で
落選する。
高齢者ではなく、若者を救済する報道を取り上げると、間違いなくその番組や新聞
は多くの視聴者や購読者を失うことになる。
これが『多数決の正義』である。
高齢者に限らず、社会保障による援助が必要な方には躊躇なく、支援をするべき
である。なのに、「高齢者だから支援する。高齢者全てを支援の対象とする。」と
いった論調は、若者世代を潰すことにしかならない。
若者世代が倒れてしまえば、下支えがなくなり、高齢者を含めたその他の世代が
ドミノ倒しのようになる。
そういった若者世代の現状を見て見ぬふりをしている方々!若者に愛の手を!!