北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2019年10月

ラグビーはとても紳士的なスポーツ

2019.10.14

祝!ラグビー日本代表決勝トーナメント進出!!

 

先月20日に開幕した『ラグビーワールドカップ2019』は、アジア地区では初めて

となる日本開催である。

主催者側は、普段はあまり興味がない人でも、日本で開催されるということで多く

の人が観戦してくれるだろうと考えていた。

 

がしかし、開幕当初は思ったよりは反応が低かった。

 

それが!

アイルランドやスコットランドといった強豪国を次々と撃破し、決勝トーナメント

へ駒を進めることになった今、多くの方で盛り上がっているのではないだろうか。

 

このラグビーという競技は、防具等を全くつけずに体一つでぶつかり合うため、

ほとんどの選手が屈強な肉体を持っている。

そのため、荒々しい競技として一部の方々には毛嫌いされてきたように思うし、

子どもにラグビーを勧める親も非常に少ないと聞いている。

 

ラグビーでは、ゲームが終了することを『ノーサイド』と表現する。

某局のテレビドラマのタイトルにもなっていたので、聞き覚えがある人もいること

だろうが、「試合が終われば敵も味方もない。」という意味である。

 

この精神が発揮された出来事があった。

カナダ代表の選手たちが、台風の影響で中止となった開催場所にとどまり、床一面

にたまった泥を掃除するボランティア活動をしてくれた。

屈強な肉体を持った選手たちが参加してくれたことで、作業は大いにはかどった

そうだ。

 

ラグビーとはそういったスポーツである。

素晴らしい施設!「元気の里とかち」

2019.10.10

当方で今後手掛けようと考えている事業の具体的なイメージが中々膨らまず

悩んでいたところ、同業者であり友人でもある(株)ライズリング渡辺社長の紹介で

帯広市にある『社会福祉法人元気の里とかち』さんを訪問することができた。

 

同法人は、地域密着型特養のほか、グループホームや小規模多機能型居宅介護、

サ高住、そして学童保育所を運営されている。

 

川沿いにあるその施設は、複合施設が長屋のように軒を連ねており、懐かしさを

感じるような風情のある外観だった。

 

 

そして、施設の中が『和モダン』を基調としたスタイリッシュでありながら、

温かみを感じる空間となっていた。

 

 

 

さらには、中庭へつながる導線上には土間があったり、地域の方々が集うフリー

スペースがあったりと、ここを行きかう人の情景が浮かぶしつらえとなっている。

 

 

今回の訪問で、櫻井理事長がお忙しい中直接対応してくださった。

同理事長の温かみがあり、深い愛情に満ち溢れた思いを聞くことができて、とても

良い機会をいただけたと思っている。

 

そして何より、そこの施設スタッフの皆さんがとても素敵な笑顔で働いていること

がとても印象的であった。

 

今回の訪問で、自分の中のモヤモヤがかなり晴れたように思う。

 

ご対応いただいた櫻井理事長、案内してくださった渡辺社長、

本当にありがとうございました。

 

居宅介護支援費の有料化

2019.10.9

3年に一度の改定が行われている介護保険制度であるが、次回(令和3年度)の

改定案で大きな話題となっていることがある。

 

それは、介護保険サービスの中で自己負担が発生しない(簡単に言うと無料)で

支援を受けることができる『居宅介護支援費を有料化』しようという動きである。

 

居宅介護支援とは、ケアマネージャーが実施するケアプランの作成を含めた相談

援助のことである。

 

この『居宅介護支援費の有料化』には、下記にあげるような理由で多くの業界人が

反対の意向を示している。

①今までには無かった自己負担金を徴収するという事務作業が増えることで

ケアマネージャーの業務負担が増え、本来のマネージメント業務へ支障が出る。

②経済的な理由で相談援助を受けず、結果として必要な介護サービスを利用しない

人が増えてしまう。

③自己負担金が発生することで、利用者や家族からの有用性が低いあるいは現実的

ではない要望(いわゆるゴリ押し)を引き受けざるを得ない状況になりやすい。

 

これらの反対意見を言う人は、介護保険制度ができた成り立ちや現在に至るまでの

経緯をあまり理解していない人であったり、業界の常識が世間一般の非常識である

ことに気が付かない人ばかりである。

 

介護保険サービスは、自己負担が発生する社会保障制度であり、民間企業へ市場が

開放された歴としたサービス業である。ましてや、行政がマネージメントする措置

制度でもない。

民間企業が運営するサービスがただで使えること自体が不自然である。

 

無料で利用できるケアマネージャーを利用者や家族はどのようにとらえているのか

と言えば、「役所の人?ボランティアさん?どこかの介護サービス事業者の

一スタッフ?」といったところで、他の介護サービス事業が有料なのに無料で利用

できるからといって、居宅介護支援に特別な思いなどみじんもない。

報酬は全額公費で賄えることに胡坐をかくのではなく、そこで働くスタッフへ

もっと敬意を払ってもらいたいと言いたいぐらいだ。

 

新たな業務が増えて大歓迎する人はほとんどいないだろうが、提供したサービスへ

の対価を受け取る行為は民間企業ではごく当たり前のことであり、業務の一環と

いう理解を持っている。

こんな理由をあげて本気で反対している人は、役人気質が抜けない旧体制の福祉

事業関係者が多い。

 

また、居宅介護支援費が有料化されても、行政機関の相談窓口(役所の担当窓口、

地域包括支援センター等)が無料で相談を受け付けてくれる。

ちなみに居宅介護支援費も成功報酬であって、ただ相談を受けただけでは対価を

受け取ることはない。

それを「ただ働きだ!」と不満に思う輩もいるようだが、労働の全てが報酬に直結

する仕事なんてこの世にはない。

 

 

③を反対の理由としてあげている人に対しては、「あんた本気でそれ言ってんの

か?」と問いたくなる。

これは言い換えると「無料だった時は、無能な私でも騙しだまし利用者や家族を

手なずけることはできたが、有料になれば化けの皮がはがれてしまう。」と言って

いるようなもので、常軌を逸しているとしか言いようがない。

 

国の政策が必ずしも正しいとは思わないし、モノ申したいときも多々あるが、

今回の改定案に対する批判については、

国の政策を批判する前に自分の無知や非常識を改善するべきではないだろうか。

立派な理念

2019.10.8

私の知る限りではあるが、多くの医療や介護関連企業(法人)の理念には、

「地域社会への貢献、地域と共に歩む」といった文言が入っている。

 

しかし、これも私の知る限りではあるが、その企業の多くは、自分たちが運営する

施設の周辺地域の事情など全く知らない(知ろうともしていない)。

 

自分たちが運営する施設の中での出来事のみに注視し、施設と契約関係を結んだ

利用者やその家族との関係のみにサービス提供を行う。

そのこと自体は間違いではない。当ブログで何度も言っているように収益を上げ

なければ適切な運営を継続することは難しい。

 

ただ、理念とは企業が向かうべき方向を示すものであり、そこで働く職員の道標と

なるものでもある。

興味関心がないのであれば、「法人運営の安定、顧客満足度の向上」といった理念

に変えればよいと思う。

 

でも・・・、もう一度よく考えてほしい。

多くの医療や介護関連企業(法人)は、社会保障制度のもとで事業を行っている。

社会保障制度とは、一人(自力)では対処することができないような人生や生命を

大きく左右する事柄について社会全体で支え合おうという制度である。

 

「自分の会社や事業さえ上手く運営できていればそれでいい。」という考えは、

社会保障のそれとは大きく乖離する。

 

地域全体で支え合いが実現することで、地域住民の豊かな生活が保障される。

その中で、医療や介護関連企業(法人)の役割は非常に大きいと考えている。

今年のインフルエンザ対策

2019.10.7

ここ数日、気温が一気に下がっている。

その前までは過ごしやすい陽気が続いていたこともあって、すっかり頭から離れて

いたが、もう10月に入っている。

来月には初雪の知らせが届くかもしれない季節になっているのである。

 

週明けに出勤してきた今日、職員の数名が『鼻声』だったことに気が付いた。

季節の変わり目は、体調を崩しやすいので気を付けていただきたい。

 

体調を崩すといえば、これからの季節で一番気になるのが『インフルエンザ

ウイルス』ではないだろうか。

 

厚生労働省の報告によると沖縄県ではすでに爆発的流行の状況となっており、九州

地方でも相当数の感染患者が出ているそうである。

この流行は、これから北上してきていずれ北海道にも上陸してくるものと思われる

が、例年より早い流行となるかもしれない。

 

予防注射などの対策は、例年より早めにしたほうが良いかもしれない。

 

小規模の美徳

2019.10.3

昨日のブログで、「国内の99%は、中小零細企業である。」と伝えた。

日本人は、よほど『小規模』という言葉が好きらしい。

 

規模が小さいほうが、「家庭的で温かみがある。」とか「小回りが利いて細部まで

行き届く。」といったメリットを連想させる。

 

介護保険サービスにおいても、小規模なデイサービス、小規模多機能型居宅介護、

看護小規模多機能型居宅介護、地域密着型特別養護老人ホーム(小規模特養)など

のサービス種別の他、ユニット対応という考え方がある。

 

しかしこの『小規模』は、スケールメリットを生かすことが難しく、生産性が低い

上にお金がやたらとかかる。

 

そのため、国は『小規模』な企業や事業を救済しようと様々な助成や優遇を行って

いる。

 

財政に余裕があるうちはそれでよかった。

財政が苦しくなると途端に『梯子外し』が始まる。

 

助成や優遇を失った企業は倒産し、事業は廃止される。

 

大量生産の既製品は「安かろ悪かろ」、オーダーメードは「高いだけに既製品より

高品質」が世間一般の常識とされているが、果たして本当だろうか。

 

「ユニクロ」の商品が国内外でうけているのは、品質が高いのに低価格だからでは

ないだろうか。

 

小規模で手間暇かけているからと言って『高品質』とは限らない。

 

グローバルな視点で見れば、「高品質低価格」が一般常識で、「高品質高価格」は

単なる贅沢となりつつあるが、日本人は『小規模の美徳』という呪縛から中々抜け

出すことができない。

賃金格差の是正

2019.10.2

いよいよ10月!

多くの企業は、「上半期を終えて、いざ下半期へ」といったところか。

 

そして、多くの国民の生活に影響が出る『消費増税』がスタートした。

 

昨日、今日と大きな買い物をしたわけでもないので、今のところ実感は湧かないが

徐々に影響を感じることだろう。

 

そういった話題に隠れて、見過ごされがちな『最低賃金の引上げ』も10月から

適用される。

ちなみに北海道は、835円から861円へ変更となった。

 

労働者にとって、賃金が上がることは喜ばしいことだろう。

首都圏では900円台を突破した地域もあり、国の政策では早い段階で1000円

突破を目指しているとのことである。

 

しかしこれ、単純に喜べることなのだろうか。

 

国内の99%は、中小零細企業である。

人件費が急激に上がる一方で消費増税のあおりを受けて売り上げが落ち込むことに

なれば、倒産の危機が迫る死活問題になる。

 

そうなるわけにはいかないので、

中小零細企業の経営者の多くは、人件費を抑えつつ生産性を上げるために

①スキルの低い新規採用(新卒も含め)を控え、スキルを持つ者を重用

②ボランタリーな人材、安価に使えるスキルを持つ高齢者を採用

という思考を持つことだろうと思う。

 

野党の政治家が中心となって、「賃金格差の是正!最低賃金の大幅引き上げ!

雇用の拡大!低所得者の救済!」を声高らかに訴えているが少しずれている。

 

立場が弱いのは、労働者だけではない。

中小零細企業も決して強い立場にはない。

 

中小零細企業を追い込めば、自ずと労働者があおりを受ける。

結果として、賃金格差はさらに広がり、低所得者はさらに冷遇される。

 

こんな単純なこともわからない政治家のおつむは・・・。

行き場を失う方々への支援を本気で考える必要がある

2019.10.1

先日、担当しているご利用者が精神科病院から退院してきた。

 

もともと精神的に不安定な症状を抱えていたこの方は、同病院の入退院を繰り返し

ながら何とか在宅生活を継続していた。

 

身近に近親者がほとんどおらず、経済的な余裕がなく生活保護を受給されている

この方には、『成年後見制度』による保佐人がついていおり、諸手続きにかかる

日常的な支援は私とこの保佐人とで行っている。

 

今回の入院前から、精神面がより不安定になってきており、高齢者住宅で生活を

継続することが非常に難しくなってきている。

 

しかし、要介護度が軽度で認知症の診断はなく、高齢であることによる障がい分野

の入居施設対応が困難なことなどから、終の棲家となりうる場所を見つけることが

できずにいる。

 

これから先、昨今の社会事情を勘案すると、同様の方が多くなることが見込まれる

が制度が全く追い付いていない。

 

制度が整備されていなくともニーズがあれば、どこかが対応しなければならない

こととなる。

そこで起こるミスマッチは、ご利用者本人にとって不利益であるばかりか、対応

する側にとっても有益とは言えない。

 

無理をして対応することによって起こる事故や事件は、ここ数年の間だけでも何度

も報道されてきた。

そうした報道が出るたびに、施設等の運営者や従業者が非難にさらされる。

 

犯した罪を擁護するつもりは全くない。

しかし、臭い物に蓋をして、見て見ぬふりをしている人の罪もそれなりに大きいと

感じている。