月: 2020年7月
2020.7.31
先日、当方のケアプランセンターで担当していたご利用者がお亡くなりになった。
癌の末期で自宅療養されていた方であるが、数日前までは自力で歩いてトイレまで
行くことができていた。
ところが、週末に病状が急変して、車いすや特殊寝台(電動ベッド)がなければ、
日常生活を営むことが難しい状態となっていた。
主治医との話し合いで、急遽車いす等の福祉用具の利用を調整することになった
が、このご利用者は『要介護1』という軽度の認定結果を受けていた。
そのため、通常の手続き以上の手続きを行わなければならない状況にあった。
そんな矢先にご利用者がお亡くなりになってしまったため、手続きが後手に回る
ことになってしまった。
これは偏に、担当ケアマネジャーの見込みの甘さである。
当ブログの『ターミナル期のケアマネジメント』でも取り上げた通り、
いわゆる『ターミナル期』の対応においては、在宅のケアマネージャーの役割や
提供すべき情報が通常と若干異なることが多い。
介護保険制度上、ケアプランの作成者はケアマネージャーであるが、日々刻々と
病状や状態が変化する中においては、頻繁にアセスメントしてケアプランを修正
していても、事が間に合わない場合が多い。
こうした状況において重要なことは、
①医療従事者との情報連携を密にとる。
②予測されるリスクをご利用者やご家族へ丁寧に伝える。
③そして何より、『後回しにしない』ことである。
通常のケアマネジメントでも重要とされていることではあるが、そのスピード感が
通常と全く違う。
日々、刻一刻と状態が変化していく中では、月単位でのんびり構えていると、
とんでもない損害をご利用者やご家族へ与えてしまうことにもなりかねない。
幸いにも今回は、ご家族へ損害を与えずにことを済ませることができた。
ご利用者やご家族には申し訳ない言い方かもしれないが、担当したケアマネジャー
もいい勉強になったことだろう。
それにしても、『ターミナル期にある方々の要介護認定のあり方』について行政も
もう少し学習したほうが良いように思う。
認定調査を行った数日や数週間後には、自力で歩くことが難しくなっていることが
あらかじめ予想されているにもかかわらず、平気で『要支援』の認定結果を出して
くる。
認定調査を行ってから認定の結果が下りるまで数週間かかることから、結果が出た
ころには、車いすや特殊寝台(電動ベッド)が必要な状態となっている。
そのため、間髪入れずに『認定区分の変更申請』を行うこととなるが、ご利用者は
その間にお亡くなりになってしまって、所定の手続きができずじまいになってしま
うこともたびたびある。
ターミナル期とそうではない状態とでは、考え方を変えていかなければならない
ことをケアマネジャーも行政も学習したほうが良い。
2020.7.30
先月、久しぶりに再会したこの会議。
『住みやすいまちを自らの手で作っていこう』と発足したこの会議は、コロナ禍で
休眠状態となっていたが、先月に引き続き、三密に気をつけつつの開催となった。
今年のテーマ『食を通じて活動の輪を広げよう!』の具体的な企画が決まった。
8月初旬に秋大根を200本~300本程度植えて、10月中旬に収穫するという
内容になった。
コロナ禍において、どの程度範囲を広げて参加協力をいただくべきかが議論の争点
となり、「種まきは少数精鋭で、収穫は状況を見て判断する」という結論に
至った。
収穫祭が可能となれば、酪農学園大学さんのご協力をいただいて、『子供たち向け
の食育講座』も開催しようと企画している。
如何せん、思い付きで始めたこの企画、ましてやコロナ禍の状況にあって、どう
なることやらといったところである。
それでも、久しぶりの土仕事に私一人だけワクワクしている。
来月の種まきの様子などを当ブログでご紹介したいと思う。
2020.7.27
前回当ブログで取り上げた『ALS患者の嘱託殺人』について、マスコミ各社が連日
こぞって、その行為を肯定するかのような報道を繰り返している。
自分たちの主張する方向へ世論を導こうと印象操作する手法は、いつものことで
あるが、今回ばかりは許せない。
情状酌量の余地があるか否かは、その後の裁判で取り上げられれば良いことで
あって、殺人は殺人でしかない。たとえどんな理由があろうともだ。
間抜けなマスコミは、「生き地獄」=「安楽死肯定」と短絡的に結論付けているが
今回の事件では、同時により深く考えなければならないことは『延命処置』に
ついてではないだろうか。
その処置の内容にもよるが、一度選択すると「もうヤダ!」と言って、途中で止め
ることができないものが多くある。
ALS患者にとっての人工呼吸器もその一種だろう。
医療が進歩して、様々な延命処置が可能となっている昨今だからこそ、人の尊い死
をより深く考えるべきではないだろうか。
以前、親交のあった医者がこんなことを言っていたことを思い出した。
「年老いて、病気が原因ではなく食べることができなくなることは、人間が死に
向かって準備している状態である。それなのに、胃瘻を作って無理やり延命する
ことは人の死への冒涜である。」
この場で、この発言の賛否を論ずるつもりはない。
でも、生きることを大切にするということは、死ぬことも大切にするということ
ではないのだろうか。
2020.7.25
手術において卓越した技術を持つ医者を『神の手』と表現されることがあるが、
私はその表現が大嫌いである。
先週、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う女性から頼まれ、薬物を投与して殺害し
たとして、嘱託殺人の疑いで、2名の医者が逮捕されるという事件が起きた。
人を殺めたのであるから罰せられて当然のはずが、この事件に関しては、業界内で
も賛否が分かれている。
なぜかというと、
ALSという病気は、重度化すると「生き地獄が待っている」と言われるほど患者を
苦しめる恐ろしい病気だからである。
ALSとは、運動神経系が侵され全身の筋肉が動かなくなり、最終的には呼吸器機能
が動かなくなって死に至らしめる進行性の難病で、その原因や治療法がいまだに
確立されていない病気のことを言う。
自発呼吸が難しくなると延命措置として人工呼吸器を装着することになるが、体の
大部分は全く動かないにもかかわらず、比較的意識はしっかりしているため、患者
は自分の状況を把握できていても自分ではどうにもできない恐怖心と闘わなければ
ならず、個人差はあるもののその状況が10年以上続くこともある。
また、痰を自力で出すことができないため、窒息しないように数十分おきに痰の吸
引を行う行為は患者本人はもとより介護者をも苦しめる。
私も以前、同様の方を担当したことがあり、『意思伝達装置』という特殊な装置を
利用してその方との意思疎通を行っていた。
そしてその方も「死にたい。地獄だ。」とよく言っていたことを思い出した。
そのため、人工呼吸器をつける決断に迫られたとき、多くの患者や家族だけでは
なく担当の医者も非常に迷うとよく聞く。
だからと言って、
情にほだされたからと言って、やっていいことと悪いことがある。
医者は神様ではない。
自殺を考え、ビルの屋上から飛び降りようとする人に対して、背中を押す行為を
正当化しようというのか。
患者や家族と一緒に悩んでくれて、親身になってくれる医者もいるが、
消えかけた命を救うことによって、神の手などと煽てられることによって
勘違いする医者も数多くいるように思える。
「おい!お前は神様じゃねーぞ、勘違いすんじゃね~!!」
2020.7.24
コロナ禍で中断していた、毎週金曜日に開催していた『地域交流カフェたんぽぽ』
を今月から再開し、先週から同活動内の食事提供も再開した。
今回の食事会前のイベントは、『熱中症予防』の講話だった。
我が訪問看護ステーションが誇る保健師によるありがたい講話をいただいた。
「150㏄を目分量で、それを8回繰り返して1200㏄の水分を!」と言われても
その目分量がなかなか利かない。
ということで、みんなで実践してみた。「ピッタリー!」とか「全然少ない!」
などと盛り上がった。
今回もソーシャルディスタンスを取りながらの食事会となった。
ご参加いただいた皆さん、お疲れさまでした。
またのご来場をお待ちしております。
2020.7.23
今日の出勤時「車がやけにスムーズに進むなぁ」と思っていたら、祝日であること
を後から知った。
「今日は何の日だっけ?」とカレンダーを見ると『海の日』、そして明日は『スポ
ーツ』だそうである。この連休を生かして、野外へ出て活動する方もいらっしゃる
ことだろう。
しかし、皮肉にもコロナウイルス感染症が関東や関西地区で再燃しており、道外へ
出向くことは自粛する方も多くいるのではないだろうか。
そういえば、旅行代金などが割引される『GoToキャンペーン』がいろいろな意味
で最近話題になっている。
「ウイルスを全国にばら撒くことを助長する制度をこのタイミングで行うことは
いかがなものか!」とか
「このままでは経済が死んでしまう。倒産する企業が増え、失業する人が増えれば
感染による死者以上の死者がでるから、この制度は行うべきだ!」など
立場が変われば、意見が分かれることは良くあることであろう。
ただ、世の中は『白か黒か』で色分けできるほど単純ではない。
感染による死者も経済的問題による死者も出してはいけないが、どちらか一方に
偏った対応をとることは「思考停止した無能な政治家や役人」と同じである。
感染症の正しい知識を持って、最善の対策をしたうえで、必要な経済的活動を
進めていくしかないのではなかろうか。
危険や恐怖を煽るだけあおって何もしない、いわゆる『考えない人』が身近にも
結構いる。そういった人たちは決まって自分のふるまいや言動に責任を持たない。
『そういう人たち撲滅キャンペーン』をやりたい気分である。
2020.7.20
2018年(平成30年)7月から開設した当ブログも、丸2年が経過し3年目に
突入している。
毎回、取り留めのない話や独善的な主張を好き勝手に書いている。
このブログを読んでいるスタッフからは、「難しい話が多すぎで面白くない」とか
「時として内容が過激すぎる」とか、「画像が少なくて見栄えが悪い」などなどの
ご批判をよく頂戴している。
そういったご批判は真摯に受け止めつつ(そんなに深刻には受け止めていない)、
ブログに正解なんてないだろうと思いつつ、今後も好き勝手に書き続けようと
思う。
先日、「好き勝手なんて言葉では済まされない」事件が起きた。
恵庭市にある特別養護老人ホームで、『介護職員が入所していた男性の耳たぶを
引きちぎる』という事件が起きた。
冗談ではなく、この一報を聞いたときに耳を疑った。
同職員は「仕事でストレスがたまっていた」と供述しているそうである。
以前、当ブログで「加害者を一方的に断罪するのではなく、些細なきっかけで
同様のことが身近でも起こりえるという自覚をもって職務に臨むべきだ。」と
書いたが、仕事のストレスといったレベルの問題ではないように思う。
殴る蹴るといった暴力を肯定する気など全くない。
しかし、『耳たぶを引きちぎる』行為は猟奇的とも思え、いわゆる暴力とは質が
違うのではなかろうか。
人格的な障害を持っている方に対しては、早期発見・早期治療が有効である。
そのためには、周りのサポートが欠かせない。
こうした状況を知っていて「知らないふり」をすることは、犯罪に近いと思う。
2020.7.17
先日、当ブログでもご紹介した通り、今月から再開した毎週金曜日に開催していた
『地域交流カフェたんぽぽ』の食事提供も本日から再開することとした。
そして、
前段のイベントでは皆さんが待ちに待った『2代目石川流スコップ三味線』の演奏
が行われた。
※詳しくは、
当ブログ『地域交流スペースたんぽぽ(スコップ三味線)』『ラストライブ!』を
参照下さい。
唯一無二の演奏を継承した当法人スタッフが心を込めて演奏した。大爆笑だった。
大盛り上がりのイベントの後は、食事会!
お弁当形式にして、ソーシャルディスタンスも十分にとって行った。
皆さん、楽しんでいただけましたでしょうか?
次回のお越しを心よりお待ちしております。
2020.7.16
先日、関東圏の大学病院で、「コロナ禍で激務を強いられ、ボーナス支給も見送
られた看護師が大量に退職する。」との報道があった。
私の周りにも少なからずいるが、「給料は天から降ってくる」と思っているかの
ような振る舞いをする方々がいる。
「会社は収入がなければ給与を支払うことはできない。」
当たり前のことである。
会社の収入が減れば、給与や賞与が削減されることはある。また、リストラを敢行
する場合もある。さらには、倒産してしまえば全員解雇となる。
「経営者が悪いからこのようになったんだ。」という方がいる。
たしかに、そういった側面はある。
ただ、経営者とて万能ではない。
収入を確保し、支出を削減するためには、そこで働く職員の協力がなければ実現は
不可能であろう。
いかに、経営者と職員との間の信頼関係が非常に重要であろうかと思う。
それにしても、病院や我々のような介護サービス事業者は、収入の何割かは税金が
投入されていることをもっと自覚しなければならない。
ご飯屋さんも洋服屋さんも、その店に来てサービス提供を受けた方からお金を頂戴
して収入を得ている。
ところが、病院や介護サービス事業者は、直接サービス提供を受けていない方が
支払った税金も収入の一部となっている。
私たちは、組織が民間であろうと公的法人であろうと、部分的に公益性を求められ
ているのである。
つまりは、そこで働く職員の体の一部は公務員と同等の扱いということである。
災害が起きた時、真っ先に自分が逃げ出すような公務員がいたとしたら、国民は
どう思うのだろうか。
マスコミがやたらと媚を売るような報道を繰り返していることで、勘違いしている
医療従事者が多くいるのではなかろうか。
今回退職する看護師たちには是非とも、他の業界で働いていただいて、現実の
厳しさを思い知ってもらいたいものである。
2020.7.14
コロナ禍で中断していた、毎週金曜日に開催していた『地域交流カフェたんぽぽ』
を今月から再開したが、今週から同活動内の食事提供も再開することを決めた。
「三密」にならないよう十分に対策を講じて、参加者の皆様をお待ちしたい。
毎週、ゲームや演奏会、講話、創作活動などのイベント企画と食事会で地域の皆様
の憩いの時間を提供してきたこの活動には、コアなファンが大勢いらっしゃって、
私のところに「いつ再開するんだ!」とのご要望が多数寄せられていた。
スタッフ間で繰り返し綿密な打ち合わせをした結果、食事会の再開を決めた。
不安が全くないというわけではないが、地域の皆様の笑顔が早く見たいとの思いで
ここに至った。
※下の画像は昨年のものです
皆様のご参加、心よりお待ちしております。