北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2020年12月

よいお年をお迎えください

2020.12.31

今日は大晦日、

例年よりもとても長く感じた今年一年も今日で最終日となる。

 

年が明けたからと言って大きく変わらないことも多くあるが、それでも年を越す

ことで災いが立ち去り、より良い未来が待っていることを願わずにはいられない。

 

振り返ってみると、今年のような非常に苦しい状況に立たされた時ほど、人の温か

みを強く感じることはなかったように思う。

特別なことをしていただくでもなく、ひと声かけてもらえただけで心の平静を保つ

ことができたり、明日への活力になることが多かった。

 

先日の当ブログの『ボヤキ』で伝えた通り、この先の未来はICTやAIがより広く

活躍する世界になっていくことだろう。

だからこそ、人と人との結びつきをより大切にしなければならないと強く感じる

ことができた一年だった。

 

来年はどんな一年になることだろうか。

未来の出会いが今から楽しみである。

 

今年も様々な方々のご支援をいただいたおかげで、事業を継続することができた。

この場を借りて、深く感謝申し上げます。

来年は、皆様にとってより良い年でありますことをお祈り申し上げます。

今年最後のボヤキ

2020.12.29

今年を振り返ると本当にいろいろあって大変だった。

来年はどんな1年になるのだろう。

 

3年に1度の見直しされる介護報酬制度改定が来年の4月に行われる。

そこでは、「少ない人員で多くの仕事をする」といった改定内容がふんだんに

盛り込まれている。

特別養護老人ホームやグループホームの夜勤帯の人員基準の見直しでは人員数を

変えずに定員を増やしたり、居宅介護支援も1名のケアマネジャーが減算を受けず

に担当できる件数を増やすといった改正案が示されている。

そして、少なくなったマンパワーをICT(情報通信技術)等を活用して補うという

方向性もまた示されている。

 

たしかに、日本国民の人口が年々減少している現状を鑑みれば、「少ない人員で

多くの仕事をする」ことは各業界に共通することかもしれない。

そして、「多くの仕事」を完結するためには最新のテクノロジーを駆使することも

求められる。

 

介護業界では2、3人がかりで持ち上げていた重労働がリフトを導入することで

非力なスタッフ1人で移乗介助ができるようになったり、ITを使用することで手書

きで作成・保存していた書類を簡単に保存ができて、必要に応じて修正を加える

ことも依然と比べて容易になった。さらには、SNS等の通信網を活用して、伝聞に

よる誤解や誤差を予防することも可能になった。

 

そう遠くない将来には、タッチパネルの案内に従って必要な介護サービスをご利用

者自身が選択して、食事や排せつ、入浴の介助は機械がオートメーションで全部

行ってくれて、AIの診断に基づいた治療は全て遠隔操作で行われる世の中になる

かもしれない。

 

そうして、

一人で生活を営むことが可能となり、他人と触れ合う必要性が薄くなり、出会いや

結婚、出産が激減していき、振り返ると誰もいなくなったりして。

 

世の中が便利になるのは良いけど・・・。

仕事納め

2020.12.28

当方の規定では、本日が仕事納めとなる。

今年について言えば、新型コロナウイルス感染症という未曾有の状況の中で

様々な困難を抱えながら職務を全うしてくれた全てのスタッフへ心から感謝を

申し上げたい。

ただし、当方が運営する小規模多機能型居宅介護、訪問看護、給食センターは、

年末年始も稼働している。同事業に携わるスタッフに対しては感謝とともに敬意を

表したい。

 

そんな中で、年末年始に介護支援の開始を求める相談が数件入ってきている。

「不測の事態が起きても、ある程度は家族で支援できる。」、「最後になるかも

しれない年越しは自宅で過ごせるようにしてあげたい。」などそれぞれの思いを

持って相談にいらっしゃる方々へ我々も全力でお答えしたいと考えている。

 

我々は、年末年始だろうが、お盆だろうが必要な支援は積極的に行ってきたし、

今後もその方針に変わりはない。

しかし、年末年始は何かと『手薄』な状況となる。

それは、当方の事業所の人員という意味ではない。

行政機関、医療機関の多くは休業する。介護サービス事業者も臨時対応のみとして

通常の営業を休むところが多い。

つまりは、通常通りの支援体制を組むことが難しい危険性があるということだ。

また、病状が急変し、救急搬送等により医療機関へ行くとなった場合には、年末年

始に加えて新型コロナウイルス感染症の影響もあって思うとおりに治療が受けられ

ない危険性もある。

 

そうした状況を踏まえて、ご利用者やご家族と綿密に相談しながら支援体制を組む

ことになる。

今年は特に年末年始の気分を味わうことは難しそうである。

 

ポジティブに変化する

2020.12.24

「今日はクリスマスイブ!」といって、

例年と同じような気持ちで同じように過ごす方は少ないのではないだろうか。

新型コロナウイルスの流行で物の見方や考え方が大きく変わったと実感した方も

少なくはないのではないかと思ったりする。

 

年度当初は、外出を自粛し自宅で過ごす時間が増えたことに対して、抗えず目に

見えにくい強制力によって「窮屈」と感じていたが、この頃は自宅で過ごす時間を

「有意義に」使いたいと思うようになった。

 

物の見方が変わると言えば、「お笑い」好きの私が毎年見ているテレビ番組の

『M-1グランプリ』が象徴的であったように思う。

漫才の賞レースである当番組は、その年の漫才のナンバー1を決めるものである。

 

今年優勝したコンビである『マジカルラブリー』は、正統派の漫才とはとてもいい

がたい芸風で、喋りで笑いを取るというよりは奇妙な動きで笑いを取っている。

正統派の漫才を期待して視聴している方からすると「不快」と感じることも少なく

ない芸風で、3年前に同番組に出場した時には「断トツのビリ」だった。

優勝した今年は何が変わったのかと思い、3年前の映像を見返してみると全くと

言っていいほど芸風は変わっていなかった。

つまりは、『見る側』が変わったということだろう。

 

毎年のようにライフスタイルやファッションの業界で流行り廃りが話題となるので

「その類」と言ってしまえばそれまでだが、今年に関しては今まで経験したことが

ないほどの変化を余儀なくされたこともあって、価値観や考え方を大きく見直す

ことができたようにも思う。

 

『変わる』ということは決して悪いことではないだろうと思う。

そして、ポジティブに『変わる』ことはさらに良いように思う。

苦しいとき、大変な時こそ、そうしたほうが良いかもしれない。

寄り添う支援

2020.12.18

長年かかわりを持ってきた、今年100歳になるご利用者の状態が急変した。

今年の秋口までは、年齢を感じさせないほどお元気で、近隣に在住するご家族の

支援を受けながら一人暮らしを続けてきた。

 

ところが、1か月前くらいから、難聴で聞き取りに支障はあったものの、成立して

いた会話もままならなくなり、旺盛だった食欲もみるみる衰えていった。

結果として、自力で立ち上がることも椅子に座っていることも難しくなっていた。

 

訪問診療で対応していただいてはいるが、決め手となる原因が見当たらず(厳密に

は検査等を行うことが難しい状態にある)、担当医の診断は「老衰」であった。

生命を維持するために続けていた点滴も、痰が多く出てしまうことによる呼吸苦や

窒息防ぐためにご家族と話し合い、昨日で止めることとなった。

これから先は、安らかな旅立ちへの準備期間となる。

 

昨日、ご家族と話し合った中で出てきた言葉は、「これまでよく頑張ってきたから

満足している。本人も大好きな自宅で過ごすことができたので、満足していると思

う。」とのことだった。

 

この状況で、我々にできることは非常に限られている。

また、「満足している」という言葉が聞けたことはとても良かった。

この後の不安が少しでも軽減できるように全力で寄り添っていきたいと思う。

 

年明けには101歳の誕生日を迎える。

人を動かしているのは心

2020.12.17

先日、当方の通所介護(デイサービス)をご利用されていて、新型コロナウイルス

感染症予防のために、数か月間サービス利用を自粛していた方と久しぶりにお会い

して驚いた。

自力で歩くことに大きな支障をきたしていなかった方が、歩行器なしではバランス

よく歩くことが難しくなっていた。

 

そのご利用者から話しをうかがうと、その間に大病を患ったわけでもなく、転倒等

によって体を痛めたということもなく、通所介護で実践していた運動等を自宅でも

ある程度実践していたとのことだった。

コロナ禍にあって外出や活動の制限を受けていたとはいえ、通所介護のサービスを

利用しなかった数か月間がここまで影響を及ぼすとは思っていなかった。

 

新型コロナウイルスに感染することは、高齢者の生命や生活に大きな影響を及ぼす

ことは周知のことと思うが、『援助を必要とする高齢者の身体機能の維持』には、

通所介護サービスの利用継続がいかに重要かを改めて知らされたことになる。

 

来年度の介護報酬改定に向けた審議会等では、盛んに『科学的介護』をうたい文句

に医療従事者を積極的介入させた医療モデル型の介護を実践する内容を盛り込んだ

加算等の創設や書式の導入が話し合われている。

この流れについて、細かなところで物申したい所はあるが、大筋では賛同できる。

 

しかし、医療モデルでは『援助を必要とする高齢者の身体機能の維持向上』が重要

と言いながら『向上』ばかりに目を向けて、『維持』が軽視されがちだった。

また、医療モデルでは、生理的・解剖学的視点で心身機能を捉えることが重視され

情緒的な結びつきによる精神及び身体的活動が軽視されがちであった。

 

高齢者介護の現場に、客観的に評価しやすい数値化を積極的に取り入れようとする

ことそのものは悪いことではないが、数値化しにくい事象についても同時に評価の

対象としなければ、『援助を必要とする高齢者の身体機能の維持』が絵に描いた餅

で終えてしまうことを厚生労働省も医療モデル推進者も理解を深めたほうが良い。

 

当ブログ、『介護予防短期集中プログラムの愚』でも取り上げた通り、高齢者介護

にかかる政策では、医療モデルはことごとく失敗に終わっている。

 

人を動かしているのは、「筋肉」ではなく「心」なのだから。

雪道の運転

2020.12.16

先日、『F1ドライバーのレース中の心拍数』を取り上げるテレビ番組を見た。

 

「きっと、プロのレースドライバーなのだから、平常の数値を保ちながら平然と

運転している映像が出されるのだろう」が視聴前の私の考えだった。

ところが、ドライビング中の息遣いは凄まじく、短距離走の選手さながらの呼吸が

レース中に続けられていた。また、急カーブを曲がるときには息を止めていた。

 

プロのレースドライバーを『アスリート』と表現することの意味が分かったような

気がすると同時に、プロであっても緊張状態の運転中は心拍数が大きく上がること

がよくわかった。

 

今朝起きて道路状況を確認すると一面雪で覆われていた。

また、交差点付近は圧雪になっていて非常に滑りやすい状況に見えた。

こうした季節では、数十分運転しただけで普段はない、肩の凝りを感じることが

多くある。

日頃、走りなれた道路であっても、普段以上に緊張してしまうのであろう。

おそらくは、心拍数も高くなり、体に力みが出てきてしまうのではなかろうか。

 

当方が運営する事業は、業務で車を運転する機会が多い。

ご利用者の送迎やご利用者宅への訪問、医療機関や関係機関へ出向くこともある。

これらの業務を連続して実施することもあるため、「早めの行動」が通用しない

ことがあり、どうしても予定通りに事が進まない。

そこで、冬時間を想定して業務内容を組みなおすことも多くある。

この時期、当方のスタッフには「間に合うように急ぐよりも、事前に先方へ連絡

した上で、遅れてもいいから無事に目的地まで到着することを優先して!」と

伝えている。

 

幸いにして、「北海道は冬時間がある」と考えている方が多くいらっしゃるので、

事前の説明や連絡をしておくと時間がずれることへの理解を示してくださる場合が

多い。

 

これからの季節、『コロナ』以外に気を付けなければならないことが一つ増えた。

大企業推進と規制緩和

2020.12.10

先日の報道で「介護事業者の倒産、休廃業件数が過去最多を更新する」との内容が

報じれらていた。

高齢者介護にかかる事業者に限らず、様々な業種が新型コロナウイルス感染症の

影響を受けているが、特に被害が大きいのは『中小零細企業』と言われている。

 

日本の企業の99%以上が中小零細企業であることから、ほとんどの業種のほとん

どの企業が影響を受けていることになる。

 

知人の中には、大きな組織にいる間は実現できなかった活動を実施することを夢見

ながら独立した矢先に同感染症の影響をもろに受けて休業を余儀なくされたものも

いる。その無念は測り知ることができない。

 

現政権は、前政権の意向を継承して、『競争力や生産性の向上』をお題目として

中小企業統合、企業の大規模化を推進する考えを示している。

大企業は、サービスや商品を大量かつ安定的に供給できるし、多数の雇用を生み

出すこともできるので、社会にとっての財産である。

しかし、大企業だって初めは中小規模からスタートしたはずである。中小零細企業

を大事にできない国に優秀な大企業が生まれるとはとても思えない。

 

日本は諸外国と比較して、中小規模の事業者の活躍を抑制する規制があまりにも

多すぎるように思う。そして、こうした規制には『既得権益』がセットとなって

付いてくる。

企業の大規模化を推進したいのなら、無用な規制を減らす努力も同時に行わないと

将来の優秀な大企業は生まれてこないように思う。

 

ところで、当方は同感染症の影響を全く受けなかったわけではないが、おかげを

もって来週初めには冬季賞与(冬のボーナス)を支給する運びとなった。

これもひとえに、我々を支えてくださった地域の皆さん、そして何より懸命に職務

に従事してくれたスタッフのおかげと思っている。

 

例年であれば、この時期にそんなスタッフの労をねぎらう目的で『忘年会』を開催

していたところであるが、今年は昨今の状況を鑑みて中止する決断をした。

年明けには何か別の形で労をねぎらいたいと考えている。

特定事業所集中減算の意義(その3)

2020.12.9

前回の続き・・

「居宅介護支援事業の介護報酬算定基準の中に『特定事業所集中減算』という項目

があり、ご利用者を法人(会社)単位で囲い込んだり、特定の事業所とケアマネ

ジャーとの癒着を懸念してこのような対策が講じられた。」と述べた。

 

今回話題にしている減算を語るうえで「法人(会社)単位の囲い込みは悪」が前提

条件になっているが、果たして“悪”なのだろうか。

 

当方も運営している『小規模多機能型居宅介護事業』は、居宅介護支援事業所の

ケアマネジャーと通所介護、訪問介護、短期入所に相当する支援がワンセットと

なっており、かかわるのは同一法人に所属する同一事業所のスタッフである。

同事業を利用した場合には、他の通所介護や訪問介護、短期入所事業所のサービス

を受けることはできない決まりとなっている。

まさに囲い込みの最たるものである。

 

しかし、当ブログで何度も取り上げている通り、このワンセットがご利用者やご家

族へ多大なる恩恵をもたらすものであり、事実として国も同事業所数を増やそうと

様々な政策を立てている。

こうした矛盾への説明が全くなされないまま、今回話題にしている減算が独り歩き

している。

 

また、多様な介護サービスを運営していることに一種の信頼感を持っているご利用

者やご家族がいる。自分たちの諸事情が変化しても、利用慣れした法人(会社)の

サービスを引き続き受けることができる安心感から介護サービス事業所を選定する

事も少なくない。

そこには、煩わしい手続きを簡略化できるということにとどまらず、状況が変わっ

ても生活は続くことで求められる連動制が重要視される。さらに、ある種の情緒的

な結びつきを重要視するということもある。

「馴染み」は、生きていくうえで欠くことのできない重要な要素であることは言う

までもないであろう。

 

そして、来年4月の介護報酬改定では、「矛盾だらけで合理性が乏しい今回話題に

している減算の根拠となる数字を半年毎にご利用者やご家族へ説明せよ。」との

ことである。

 

何のために何を説明せよと言うのか。

特定事業所集中減算の意義(その2)

2020.12.8

前回の続き・・

「居宅介護支援事業の介護報酬算定基準の中に『特定事業所集中減算』という項目

があり、ご利用者を法人(会社)単位で囲い込んだり、特定の事業所とケアマネ

ジャーとの癒着を懸念してこのような対策が講じられた。」と述べた。

 

「特定の事業所とケアマネジャーとの癒着などこの世には存在しない。」と言い

たいところであるが大小の違いはあるが、現実には存在する。

実際に、ある事業所がご利用者を紹介してくれたケアマネジャーに対して、見返り

として金品を渡したことが発覚して行政処分を受けたという事例がある。

また、毎年お歳暮やお中元をケアマネジャーが所属する事業所へ当たり前のように

持ってくる介護サービス事業所も少なくない。

 

こうした行為は、職業倫理に反する行為であり、行政処分や場合によっては刑事罰

を受ける対象とするべきものであり、『減算』などと生ぬるい対応ではことは足り

ないと感じている。受け取ったケアマネジャーは当然のこと、渡した介護サービス

事業者に対しても厳罰化するべきものである。

 

しかし、こういった行為が横行しているのは福祉サービスというよりは、医療業界

の方が「先輩」ではないかと思う。

入院や治療、手術の便宜を図ってもらうために病院や担当医師に金品を手渡す状況

を幾度となく見聞きしてきた。仕舞には、ご利用者やご家族から「今度手術して

くれるお医者さんへいくらお包みしたらいいのだろう。」などと訳のわからない

相談を受ける始末である。

そういった点からも、今回話題にしている減算の対象が福祉系サービスのみで医療

系サービスが除外される合理性が全く見当たらない。

 

ところで、『お歳暮やお中元』と聞くと公に認められている風習という認識を持つ

人が多くいるように思うが、この行為のほとんどは何らかの見返りを求める行為に

他ならないと感じている。

そういった意味では、風習と収賄の合理的な線引きなどできるのだろうかと思って

しまう。

 

この減算が制度化された背景と言われている『法人(会社)単位の囲い込み』に

ついても物申したいので、続きは次回に持ち越すこととする。