北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2021年7月

2回目のワクチン接種

2021.7.12

ここのところ、来週に開会式を迎える東京オリンピック・パラリンピックが大きな

話題となっている。

「外国の選手団の中で新型コロナウイルス感染陽性者が出た」とか「無観客にする

のかどうか」とか「緊急事態宣言下で開催するのか」などなど

 

今回のオリンピック・パラリンピックは、『東京』と冠はつくが、札幌市を含めた

地方でも競技が行われるため我々も他人事ではない。

こうした中で、新型コロナウイルスワクチン接種の早期対応が叫ばれている。

 

私も先週末に2回目の同ワクチン接種を受けてきた。

 

同ワクチン接種後に周囲からは、「若い人しか副反応は出ないらしいから理事長は

大丈夫じゃないの」などと小馬鹿にされ、私自身も1回目の同ワクチン接種後には

特に副反応と感じる状態にはならなかったので、「まあ、そんなもんだろう」と

高をくくっていたら・・

「おいおい、しっかり副反応が出てんじゃねーか」

発熱、頭痛、倦怠感、接種部位の疼痛と四拍子揃って反応してくれた。

しっかりと異物と闘ってくれた自分の体を誉めてあげたいと思いつつも、おかげ

で週末は一歩も外へは出ずに自宅療養に専念することとなってしまった。

 

副反応については、統計上の傾向はあるように思うが、個人差もかなりあるように

思う。周囲の状態を確認してみても、特に2回目の接種に関してはその差が激しく

出ているように思える。

 

これから2回目の同ワクチン接種を控えている方々には、くれぐれも接種後の

スケジュールも同時に管理しておいた方が良いとお伝えしたい。

自己負担金の一部改正は来月から

2021.7.7

来月から「高額介護サービス費」と「補足給付」の自己負担額が一部改正となる。

 

「 高額介護サービス費」とは、ひと月の自己負担があらかじめ決められている上限

額を上回った際に、その超過分を払い戻す仕組みで、上限額は個々の経済状況に

応じて段階的に設定されている。

「 補足給付」とは、介護施設に入所する低所得者の食費、居住費を助成し、その

自己負担を軽減する支援措置で、こちらも個々の経済状況に応じて段階的に自己

負担の上限額が定められている。

当ブログで再三取り上げている介護サービス費の自己負担増については、高齢者が

爆発的に増え、若者世代が減り続けている現状からある程度はやむを得ないところ

であろうと思う。

 

ただし、世代を問わず「余裕がない人」に大きな負担を強いる内容にだけは

なってはいけない。

大切な仲間

2021.7.6

今日、ひょんな用件があり、石狩市で独立して高齢者介護事業や障がい福祉事業

そしてまちづくり事業等を展開している同業の仲間と話をする機会があった。

コロナ過で中々会うことができず声を聴くのも久しぶりだったが、エネルギッシュ

な活動量は相変わらずだった。

 

同氏は障がいを持った子供たちの支援にも熱心に取り組んでおり、新規事業も計画

しているとのことだった。

また、現在50名の看護スタッフを抱え、高齢者や障がいを持った方の在宅医療の

サポートに重点を置いて取組を進めているといった点も非常に興味深かった。

 

離れた地域ではあるが志を同じくして、地域福祉や医療に取り組んでいる仲間と

話をすると励みになるとともに明日への活力となる。

運上さん、お互い頑張ろう!

自主事業再開への準備

2021.7.5

北海道内における新型コロナウイルスの新規感染者が、ここ数週間少し落ち着いて

きている。また、同ワクチンの接種もゆっくりではあるが着実に進んできている。

こうした状況から、6月21日より緊急事態宣言に引き続き発令された『まん延

防止等重点措置』が7月11日で解除されることとなった。

 

当方スタッフの半数以上も同ワクチン接種の1回目を終え、今月中に希望者すべて

の2回目接種が終了する予定でいる。

少しではあるが、明るい兆しが見えつつある状況になってきた。

 

こうした状況の中で、地域の皆様から再開のご要望を沢山受けている『自主事業』

をどのタイミングで開始しようかと内部で再三話し合いを重ねている。

『自主事業』とは、当ブログで何度も取り上げている介護保険外の当方独自の地域

交流活動で60名以上の会員で形成されている。

 

現段階における私見では、65歳以上の江別市民の同ワクチン接種が行き渡る8月

のお盆過ぎあたりを再開のめどと考えている。

ただし、今月に控える東京オリンピック・パラリンピックの開催状況等によっては

大幅に予定を変更せざるを得ないことも念頭に置かなければならない。

早く会員の皆さんとお会いしたいという気持ちを抑えて、『自主事業』再開への

準備を慎重に進めたい。

居宅介護支援費の有料化への異論に対する異論(その2)

2021.7.2

前回に引き続き、

『居宅介護支援費の有料化』は、事業者側から多くの異論が出ていて、その理由が

「ケアプランを有料化すれば、法制度の趣旨を度外視して都合よくサービスを使お

うとするご利用者やご家族が増え、いいなりとなる無能なケアマネも増加し、その

方がご利用者やご家族に選ばれやすくなる。」といったことについて物申したい。

 

「都合よくサービスを使う」とか「いいなりとなる人を好む」とか、ずいぶんと

ご利用者やご家族を馬鹿にした発想である。

 

アセスメントをしっかりした上で、丁寧な説明や適切な提案を行っていれば「都合

よくサービスを使う」という状況にはほとんどならない。

なぜなら、ご利用者側はどのように支援を受けることができるのか知らないから

結果的に「都合よくサービスを使う」という意向を示してしまうだけなのである。

 

また、ご利用者側にとって「都合のよいサービス」は、介護保険以外の社会資源で

ある場合もある。そういった社会資源の情報を常に収集しておいて、必要があれば

調整する。そういった社会資源がなければ自ら創造する。といったところまでマネ

ジメントしているのであれば「有能」と言えるかもしれないが、どれも中途半端に

しかやれていないケアマネが「自分は有能」と思っていたとすると・・・。

 

それと、「いいなりとなる人を好む」は本当だろうか。

例えば、ご利用者の自己負担が発生する訪問介護や通所介護といった介護サービス

の中で、法制度や社会的秩序を度外視して何でも受け入れてくれる事業所がご利用

者から持てはやされるかというとそうではないように思う。

やはり人気がある事業所は、コンプライアンスがしっかりしていて、かつ良質で

丁寧なサービスを提供してくれるところである。

そういった事業所は決まって説明や提案が丁寧であり適切である。

 

高齢者介護の業種に限らず、どれだけ懇切丁寧に説明しても無理難題をごり押し

してくるお客は極まれにではあるが存在する。

ただし、その極まれな存在を引き合いに出して『居宅介護支援費の有料化』に異論

を出しているとすると的外れ以外のなにものでもない。

利用料金(自己負担金)が同一である以上は、適切なケアマネジメントを行って

いるケアマネに相談援助をお願いしたいと考えることが自然である。

 

『居宅介護支援費の有料化』への異論を聞けば聞くほどに、「自分は無能です」と

言っているようにしか聞こえない。

居宅介護支援費の有料化への異論に対する異論(その1)

2021.7.1

前回のブログで取り上げた、令和6年度に控える次期制度改正の最大の焦点となる

『介護保険サービスの自己負担の引き上げ』は、ご利用者側から異論が出ている。

そして、もう一つの焦点となる『居宅介護支援費の有料化』は、事業者側から多く

の異論が出ている。

 

居宅介護支援とは、ケアマネージャー(以下、ケアマネと呼ぶ)が実施するケア

プランの作成を含めた相談援助のことで、現状ではご利用者の負担金が発生しない

無償の介護保険サービスと位置付けられている。

 

この『居宅介護支援費の有料化』には、下記にあげるような理由で多くの業界人が

反対の意向を示している。

「ケアプランを有料化すれば、法制度の趣旨を度外視して都合よくサービスを使お

うとするご利用者やご家族が増え、いいなりとなる無能なケアマネも増加し、その

方がご利用者やご家族に選ばれやすくなる。」といったものである。

 

そして、この意見を正当化するために、「公正中立の立場が危うくなる。」とか

「介護給付費の拡張を助長する。」といった理屈を後付けで唱えているが、端的に

言えば、「有能な私が無能なケアマネにお客さんを取られてしまう」とでも

言いたいのだろう。

しかし、こんなことを考えている時点で「有能?」と思えるし、はっきり言えば

「目くそ鼻くそ、50歩100歩」ではなかろうか。

公正中立や介護給付費の抑制などと言っておきながら、詰まる所は「顧客の取った

取られた」が透けて見える。

 

そもそも、ケアマネが有能であるか否かといった客観的な指標は存在していない

ため、ご利用者側の主観が評価の基準になってくる。

例えば、「不愛想だけど手術が上手」が名医と思う人もいれば、「手術はいまいち

だけど私の話をよく聞いてくれる」が名医と思う人もいる。

また、自分が今置かれている状況や病状に合わせて主治医を変えることもできる。

一方で、ケアマネは主治医を変更することほど簡単には行われていないことから

考えても不健全な状況にある。

 

自ら収集した情報等をもとにして、○○事業所の△△ケアマネに支援を依頼したと

いうご利用者やご家族がどれほどいるのだろうか。私見ではあるが全体の1%も

いないであろう。

ご利用者とケアマネは長い付き合いになる。人生のラストステージを担当してもら

う最初で最後の相談援助者となることも少なくない。

だからこそ、ご利用者やご家族が「しっくりくる人を選びたい」と思うことは何ら

不思議なことではない。

 

もしも、ご利用者やご家族が今までよりもケアマネを変更しやすくなるきっかけと

なるのであれば、『居宅介護支援費の有料化』は一層結構なことだと思う。

また、「いいなりとなるところに顧客が集まる」と言う理屈についても大いに疑問

がある。そのことについては次回に持ち越すこととする。