北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2023年3月

民度の高さを発揮する時

2023.3.2

先月末に厚生労働省が公表した人口動態統計の速報値によると、昨年の出生数が

過去最少の79万9728人と統計を取り始めて以来、初めて80万人を割った。

そして、この数字が増えることは期待できず、毎年減り続けることが現実的な予想

となっている。

 

この発表を受けて、「政治は少子化対策を本気で取り組む気がない」、「世代間

の分断や対立が深刻化する」など、国民の不満が噴出していることを取り上げる

報道が数多くある。

 

しかし残念ながら、この結果を導いたのは国民をおいて他にはいない。

選挙の投票権を持つ圧倒的多数派である高齢者世代の多くが、少子化対策よりも

自分たちの処遇を上げることを強く望んだため、政治家の多くは高齢者世代に迎合

する政策をより多く打ち出しつづけた。その中には、「子供がいない人たちは何ら

恩恵を受けることができないのに少子化対策に多額の税金を使うことは不公平だ」

という人まで出てくる始末だ。

つまり、そんな政治家を生み出したのは国民自身ということになる。

それがこの結果だ。

 

当ブログでは、

「高齢者厚遇と若者冷遇」、「低負担高福祉」、「公的サービス依存」といった

現状の是正を繰り返し訴えてきた。

そうしなければ、現状の社会福祉や社会保障制度を維持できないからだ。

 

誰しも目の前の課題や自分自身の利益を考えるだけで精一杯という状況にあって

他人のことやら未来のことなど考える余裕がないことは十分に理解できる。

それでも、「要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村が運営

する総合事業へ移管する構想に反対」とか、アホみたいなことは言わず、

「自分たちの年金を減らしてでも、未来ある子供たちのために国のお金を有効に

使ってほしい」とか、「高齢者介護や福祉と同程度に子供たちの福祉を充実させて

ほしい」と思う人が一人でも増えれば、政治が大きく動くこともあるだろう。

 

震災時等の危機的状況下や国際社会における振る舞いなどから、「日本の国民は

非常に民度が高い」と諸外国から称賛を受けることが多くある。

ここはひとつ、未来ある子供たちのために、その民度の高さを発揮する時ではない

のだろうか。

 

おいしい金のなる木

2023.3.1

新型コロナウイルスに関連する最新の報道を見ていると、そのウイルスの全貌が

科学的に明らかになってきているにもかかわらず、医師会や医療関係者の抵抗が

続いていることがわかる。

 

確かに、新型コロナウイルス感染症の大流行によって、混乱をきたした他の業界は

徐々に持ち直してきているが、医療業界の現場は未だに孤軍奮闘している。

ただしそれは現場レベルでの話であって、医療業界を代表する医師会や医療関係者

の抵抗のそれとはまったく違った話である。

 

政府が新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを5月8日に、季節性

インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を固めたことを受けて、日本医

師会と全国知事会が意見交換した際に、

日本医師会の松本会長は「『5類』になってもコロナウイルスが変わるわけでは

ない。医療提供体制をできるかぎり崩さないようにすることが大事だ。」と支援の

手を緩めないようにくぎを刺した。

 

新型コロナウイルスが風邪と同等の扱いになり始めているのに、医師会等が執拗に

抵抗を続けているのには訳がある。

新型コロナウイルスの入院患者を受け入れる病床を確保した医療機関には、経営を

支えるための交付金が支払われている。それは、例え入院患者がいようがいまいが

関係なくだ。そしてその交付金額は、医療機関の役割や病床の種類によって異なる

が、1日当たり1床ごとに最大で43万6000円が支払われる。

この金額は、1日当たり1床ごとの平均的な診療報酬をはるかに超える高額であり

病床を確保するだけで得ることができるため、医療機関にとっては「おいしい金の

なる木」以外の何物でもない。

 

そのことを裏付けるように、長年赤字経営に苦しんでいた医療機関の多くが、交付

金が支払われることによって黒字に転換している。

医療機関の多くは、悲壮感を漂わせて世間の同情を買うような訴えを繰り返して

るが、その内情は「おいしい金のなる木」の恩恵を出来るだけ長く受けたいと考え

ているのではないだろうか。

 

なぜそう思うのかというと、医療は科学を前提としているはずなのに、新型コロナ

ウイルスに関する医師会や医療関係者の発言を聞いていると、根拠に基づかない

見立てや感情論に終始しており、科学であるはずの医学的見地を放棄してしまって

いる場面を多く見るからである。

 

交付金の財源はもちろん我々が納めている税金である。

我々は、長年赤字経営に苦しんでいる医療機関を救うために納税しているわけでは

ない。まして、「おいしい金のなる木」の恩恵を出来るだけ長く受けたいなどと

考えている放漫経営の医療機関など救う価値もない。

 

科学であるはずの医学的見地を放棄してしまっている医師会等の発言は聞くに値し

ない。新型コロナウイルスは、季節性インフルエンザウイルスよりも重症化率が

低いただの風邪と同等であることが科学的にわかってしまったのだから。