『CCRC』構想ってご存じだろうか?
「Continuing Care Retirement Community」の頭文字をとってそのように
呼ばれているものであるが、
『仕事をリタイヤした人たちが元気なうちに地方へ移り住み、必要な時には医療や
介護を受けながら、第二の人生を生きがいを持って健康的に過ごす。』という
アメリカで発祥した考え方で
①高齢者のセカンドライフの充実
②地方への人の流れの促進
③都市部の高齢化率の緩和
などのねらいもある。
数年前から、この考え方を江別市に取り入れて実現しようと江別市大麻地区で
同構想が立ち上がったが、中身を見てびっくりした。
札幌市を中心に事業展開をしている大手法人が盲学校跡地を落札して、その場所に
特別養護老人ホームや老人保健施設、障がい者就労支援事業所などを開設する
といったものだった。
率直な感想は、「なんだよ。福祉施設をづらりと並べて作ることかよ。」である。
広大な盲学校跡地の処分に困った道や江別市が『体のいい構想』と銘打って、
『箱もの』を乱立して丸く収めようとしていることが実情であろう。
「なぜそのように思うのか」について述べてみようと思う。
・江別市は、札幌市と隣接しており、道内でも過疎が進んでいない地域である。
さらに、今回の構想予定地の大麻地区は人口が増加している地域である。
・仕事をリタイヤし、元気なうちに移住する人たちのほとんどは、特養や老健へ
入居することはなく、完成した施設へ入居する方々は今回の構想と全く関係ない。
・構想の中に特養や老健も必要と考えていながら、同地から300mの場所に
隣接している特養や老健を活用しようとしない。
・コミュニティ作りが重要であるにもかかわらず、地縁の法人や施設を排除して、
所縁のない札幌市を拠点とする大手法人に白羽の矢を立てた。
・同地にある市民活動団体が手作りしたパークゴルフ場を今回の建設工事で使う
ことをできなくしてしまった。
CCRC構想とはかけ離れた、あるいは真逆のことばかりをしている。
こんな子供だましの目くらましで、地域住民の賛同を得ようとする姑息な江別市
行政にはあきれるばかりである。
いっその事、「広大な土地の処分に困ったので、財力のある法人にお願いして、
介護・福祉施設を建ててもらうことにした。」と説明してもらったほうがよほど
ましである。
「こうして、江別市は無駄に市民税や介護保険料が上がることとなったとさ」
ってか。