北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2018年7月

夏風邪は侮ってはいけない!

2018.7.31

寒い季節にひいてしまうのが『風邪』というイメージを持たれている方も多く

いらっしゃるかもしれません。

代表的なものとして、インフルエンザウイルスへの感染が頭に浮かびます。

毎年、このウイルスに感染して命を落とす高齢者が出るので、私たちも感染予防

対策を入念に行います。

 

それに引き換え、夏は暑いというイメージから、冬同様の風邪予防対策が十分には

講じられていないように感じます。

 

 

『風邪』症状の原因となるウイルスは、冬でも夏でも存在しています。

 

 

季節によって、活発になるウイルスの種類が異なるので、症状も違えば、予防対策

も異なります。

 

夏風邪に代表される手足口病の原因となるエンテロウイルスは抗生物質が効かない

ことで有名で、インフルエンザウイルス感染対策のような予防注射は確立されて

おりません。

そのため、十分な休息、栄養、水分を摂ることが有効な対処法といわれています。

 

しかし・・・

夏は暑くて寝苦しい。夏バテで食欲がない。水分補給が不十分で脱水症状になる。

といったように、夏は前述の有効な対処法が取りにくい環境にあります。

 

これが!

『夏風邪は長引く』といわれる所以です。

 

高齢になると、のどの渇きを感じる口渇感や暑さを感じる感覚が鈍くなります。

そのため、窓を締め切ったサウナ状態の部屋で、十分な水分を摂らずに過ごして

いる方が多くいらっしゃいます。

 

ここのところ、30度を超える真夏日が続いております。

 

高齢者介護や医療に携わる方々はもちろんのこと、家族、友人、お隣近所同士で、

「窓を開けて、こまめに水分を摂る」を合言葉に夏風邪対策を講じていただきたい

と思います。

 

 

 

是認と受容

2018.7.30

一般的な会話の多くは、

『是認(ぜにん)』かその対義語である『否認(ひにん)』で成立しているので

はないでしょうか。

 

例えば・・・

A「ダイエット中だけど、寝る前に甘い物食べちゃうんだよねぇ。」という話題に

B「少しぐらい食べてもいいんじゃない。」と、相手の思いや行為を評価して良し

とすることが『是認』です。

C「また体重増えるから食べちゃダメだよ。」と、相手の行為を評価して否定する

ことが『否認』です。

 

このように、話題を受け取った相手が、自分の評価基準で良し悪しを判断して、話

題の提供者へ自分の考えを伝えることが日常会話でよく見る風景でしょう。

 

 

カウンセリングや介護の相談支援などで専門家の介入が必要な場面では、提供され

る話題が一般的には良しとできない事柄が多いため、上のような日常会話の調子で

話を進めると自ずと『否認』が多くなります。

 

例えば・・・

A「私もう死にたい。」という訴えに対して

B「死んでもいいんじゃない。」という『是認』で返すことはあり得ません。

C「そんなこと言っちゃだめだよ。」という『否認』で返すことになります。

 

しかし、このように『否認』が繰り返されると誰でも相談したくなくなります。

また、否定ばかりされることで、自分に自信を無くしたり、精神的に不安定になっ

てしまい、精神状態が悪化してしまうことにもなりかねません。

 

 

そこで、私たち相談援助に携わる専門家は、『受容』と『共感』の重要性を学び、

実践します。

 

『受容』とは・・

A「私もう死にたい。」という訴えに対して

B「死にたいと考えているのですね。死にたいと思うほど、辛いのですね。」と、

相手の思いを評価せずにそのまま受け入れることをいいます。

 

このような受け答えから、相談者は「自分のことをわかってくれている。」と感じ

て不安が減ったり、冷静かつ前向きに考えるきっかけが生まれます。

 

 

この『受容』の根底には、人は生まれながらに自然治癒力(自己治癒力)という

自分で治す力を持っているという考え方があって、『受容』することで治す力を

発揮するためのきっかけをつくるといわれております。

 

例えば・・・

発症したガンに対して

A「治らないから薬で痛みを和らげる。」ことが『是認』で

B「手術で悪いところを取って治す。」ことが『否認』で

C「漢方を使って、自己免疫力を高める。」ことが『受容』といった感じで

 

 

治療でも相談援助の場面でも、『是認』、『否認』、『受容』は重要な考え方に

なりますが、使い方を間違えたり、どれかに偏った使い方をすると相談者や患者を

間違った方向へ誘うことになります。

 

地域交流カフェたんぽぽ(アンチエイジング教室)

2018.7.27

以前にも紹介しました

毎週金曜日開催している地域交流カフェを今回も紹介します。

 

今日の食事前のイベントは、『アンチエイジング教室』です。

当方の訪問看護ステーションに所属する理学療法士が講師で、『むくみ予防』に

ついての講話とマッサージの実践指導を行うようです。

 

いつものように笑いあり、涙?ありと楽しくもためになるイベントになったよう

です。

 

イベントが終わると皆さんとの食事会です。

例によって、地域のボランティアの方々と一緒に食事作りから

 

今日はこのようなメニューになっております。いつも美味しそう!

参加費は、食事代込で300円です。

お近くへいらした際には、是非お立ち寄りください。

大麻地域創造会議(7月)

2018.7.26

今月に入り、西日本の豪雨による河川の氾濫や土砂災害で死者200名以上という甚

大な被害がありました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

日本は地震大国などともいわれ、自然災害が非常に多い土地柄ですが、人は得てし

て、その被害が発生しないと実感せず、対策も十分には講じないものです。

いつどこに来るかわからない災害に多額の費用や多大な時間を投じて対策すること

は、心理的に非常に難しいところはありますが、ことを起こさずに悔やんでもあと

の祭りです。

 

自然災害は予測が難しい現象ですが、10年以内に間違いなく日本に訪れる現象とし

て「超超少子高齢社会」があります。

世界中のどこの国でも経験したことがないこの現象を日本が初めて経験することに

なります。

日本では、2025年に最も人口の多い団塊の世代が後期高齢者といわれる75歳にな

りますが、日本の総人口は減り続けているので、その年には約5人に1人が75歳

以上という時代が到来します。

 

この時代には、

「支援を必要とする方々」が増え続け、「支援の担い手となる方々」が減り続け、

年金や医療給付費、介護給付費、生活保護費などの「公的資金を必要とする方々」

が増え続け、財源となる税金を納める「生産労働人口」が減り続けます。

 

ということは・・

人・金・物が回らず、支援を必要とする方々が十分な支援を受けることができない

ということになります。

これは、障がい者や高齢者だけの問題ではなく、「子育てがしにくい」とか「働い

ても生活が苦しい」とか「働きたくても働けない」など、全ての世代に大きな影響

を及ぼします。

 

そういった社会現象があらかじめ予測できているのであれば、今から自分たちでで

きる備えをしようと仲間に声をかけて立上げたのが、「大麻地域創造会議」です。

公的資金に頼りすぎず、高齢者であっても担い手にもなれるをモットーにして、自

らが住みやすいまちを自らが作る活動を行っております。

 

参加メンバーは、自治会長や民生委員といった地域の代表者、商店街の店舗の店主

地域のボランティア活動団体、開業医、介護サービス事業者、地元の大学の教員、

行政の高齢者介護担当者などです。

 

2016年(平成28年)6月から毎月1回開催しているこの会議ですが、初年度は地域

の困りごとや地域で活動してる方の理解を深めようと事例発表や活動紹介を行って

きました。3年目となる今年は、より具体的な行動を起こそうと様々な取り組みが

計画されております。

 

今日が今月の会議開催日です。

どういった話題が提供されるか、今から楽しみです。

 

合同企業説明会 2018

2018.7.25

法人を設立して8年目に突入しておりますが、小さな規模で始めた事業ばかりとい

うこともあって、開設当初から職員は少数精鋭でここまでやってきました。

そのため、新しく職員を募集した場合は、即戦力となる経験者を中心に採用してお

りました。

 

設立して5年が経過したあたりで、少しずつ力をつけ、事業規模を拡大してきたこ

とで、新卒者の採用を積極的に行いたいと考えて、札幌市で開催された合同企業説

明会に出展させていただいたことがありました。

 

結果は・・・惨敗です。

 

 

他の出展企業の顔ぶれを見ると、よく耳にする大手がずらりと並び、思考を凝らし

た会場づくりや洗練された説明資料など、圧倒されて帰ってきました。

 

そこからしばらくは、我々には少々ハードルが高いなぁ~と、敬遠してきた場でし

たが、ある出会いをきっかけにもう一度考え直すこととなりました。

事業を進めていく中で、地元大学の教員の方々とよく話をする機会があって、地元

の企業、中小規模の企業、地域に密着した事業展開をしている企業に求められてい

ることなどを教えていただきました。

 

そこで、改めて江別市内には4つの大学があるにもかかわらず、こちらから積極的

にかかわる努力を怠ってきたと感じました。

 

そうだ!「えべつで学び、えべつで働こう!」を合言葉にして、地元の大学へ地元

の小規模企業が働きかける企画はできないものかと考えて、仲間を募ることにしま

した。

 

この呼びかけに賛同してくださった企業、大学とともに約1年間かけて、今回の合同

企業説明会を企画しました。

 

結果は・・・

 

 

もちろん、多くの学生の方々に来場していただくことだけが目的ではなく、その中

から「採用」という新たな出会いが生まれることが最終的な目的となります。

また、今年限りで終えるものでもなく、毎年新たな出会いを求めて、開催し続ける

ことも重要です。

 

ただ今回は、その第一歩を踏み出すことができたということで、少しホッとしてお

ります。

 

来場してくださった学生の皆さん、協力してくださった札幌学院大学さん、一緒に

企画して参加してくださった橋本さん、渡辺さん、小西さん、本当にありがとう

ございました。

趣味サークルの会

2018.7.24

みのりの丘では、

施設の地域交流スペースで、毎週月曜日に趣味サークルの会を開催しております。

 

毎週、参加者でアイディアを持ち寄って、生活に役立つ小物入れ作りや手工芸作品

を作る活動をしています。

 

あまりにもクオリティーが高いので、飾るだけではもったいないと思いまして、

来月に当方で主催する夏祭りに出店して、来場者にお買い求めいただいて、今後の

活動資金にさせていただこうかと考えております。

 

 

開設当初から開催していたこの事業ですが、初めは参加する方も少なく、一時は1人

しかいないこともありました。

今では、毎週大勢の方々に参加いただき、ワイワイ賑わいながら活動してます。

 

 

今週は、「手作りマグネットクリップ」です。

完成するとこんな感じ!

裏にマグネットがついているので、冷蔵庫につけて、メモなどを挟むと便利!

 

参加者の方から「この場所に出会えて本当に良かった。」、「自分の新しい居場所

がやっと見つかった。」などの言葉をかけていただくと、涙が出るほどうれしくな

ります。

 

私たちこそ、こうした活動を通じて皆さんと出会い、わからないことを教え合い、

助け合い、我々の成長をお手伝いいただいていることに感謝しております。

 

特別に制限は設けておりませんので、お近くの方は気軽に立ち寄ってください。

 

 

QOLについて考える

2018.7.23

3年前までの10年間

北海道介護支援専門員研修の企画委員を委嘱された関係で、これから

介護支援専門員の実務に就く方々への講義を年数回ほど担当していました。

 

その講義の序盤でケアマネジメントの基本について講話するのですが

特にリキを入れてお話ししていたのが、「QOLの向上」についてでした。

QOLとは、Quality of Lifeの略語として世間一般に使われている言葉

ですが、日本語では「生活の質」、「生命の質」などと訳されます。

 

介護の分野で言う生活の質とは、高級マンションに住み、外車に乗り、

高級料理を食べることではなく、今まで続けてきた暮らしをたとえ

病気や障がいを受けても続けることができることを言います。

 

私は、この講義ではよく、「目玉焼きの食べ方」に例えて話をします。

実際に受講生の方々に聞くと、硬く焼く、半熟、半熟でも白身はしっかり焼く

焦げ目がつくほど焼く、両面焼くなど好みの焼き方は様々でした。

 

また、味付けも醤油、ソース、塩といった定番以外にも焼き肉のたれをかける

とか、○○社の○○ソルトじゃなきゃ嫌だとか、何もかけないのが好きなど

好みは多様でした。

 

目玉焼きの食べ方一つとっても、好みやこだわりが多様にありますが、生活全般

に置き換えれば、100人居れば、100通りの暮らしがあります。

私たちは、そういった好みやこだわりを経済的、身体的、精神的な制限がなければ

ほとんどのことを実現することができます。

 

ところが、今まではそのように実現できていたことが、病気や障がいなどによって

人の手を借りなければ実現できなくなることがあります。

そうなった場合、自分の好みやこだわりは、自分主導で実現していたものが、支援

する人主導で実現してもらうことになります。

 

例えば、今までは夜寝る前にお風呂にゆっくり浸かってからベッドに入る習慣が

あったとしても、自分で風呂を沸かすことが出来なかったり、自力で浴室や浴槽ま

で移動することが出来なければ、支援してくれる人の都合に合わせた時間やタイミ

ングで入浴することになります。

 

もちろん、支援者が、支援を必要とする方々の今まで続けてきた暮らしやこだわり

をすべて実現することは非常に難しいことではあります。

ただ、介護の分野に身を置いているものとして、支援を必要とする方々のQOLを常

に念頭において、支援したいと考えております。

 

今週、当方の内部研修で「QOLを意識したケアの在り方」について、職員に講話す

る予定でおります。

QOLの理解を深めながら、日頃の支援への思いを共有して、質の高い介護サービス

の提供を実現したいと考えております。

マシントレーニング事業

2018.7.20

当方は、江別市大麻地区と野幌地区の2か所でデイサービス(通所介護)を運営し

ております。

 

いずれのデイサービスも開設当初から、ご利用者の機能訓練の一環としてリハビリ

マシンを導入しております。

 

 

このマシンは、フィットネスクラブなどにあるマシンを医療用に改良されたもので

体力のある若者から介護が必要な高齢者まで幅広い層の方々が利用することができ

るものになっております。

 

しかし、このマシンは決して安価なものではないので、一家に一台と気軽に手に入

るものではありません。

そんな高価で有用なマシンをデイサービスの営業時間外に眠らせておくのは非常に

もったいないとの思いから、地域の皆さんに一般開放しております。

 

この開放事業は、デイサービス開設当初から営業時間外の毎週水曜日と土曜日に実

施していて、毎回10数人の地域の方々が、自身の健康や体力づくり、社交の場とし

てご利用されております。中には、開設当初からご利用されている方もいらっ

しゃって、古いお付き合いをさせていただいております。

私たちとしても、地域の方々からの情報や困りごとを聞くことができる絶好の場と

なっていて、そんな地域の方々の声からいくつもの新たな事業を立ち上げることが

できました。

 

興味のある方は、是非一度立ち寄ってみてください。

非常災害対策

2018.7.19

今年の2月に札幌市の高齢者が多く入居されていた共同住宅の火災で11人もの尊い命

が奪われたことはまだ記憶に新しいと思います。

また、10年前には、同じく札幌市のグループホームの火災で7人が犠牲になってお

ります。

 

病気による障がいや加齢に伴う心身機能の低下で介護サービスを受けている方々は

災害が起きても、自分の「意思」や自分の「足」で非難することが極めて難しい状

態にあります。

 

そのため、介護者はそうした方々の生命を守る重要な役割を持っております。

しかし、突然来る災害には誰しもが慌ててしまい、通常の思考で動くことができな

いものです。

 

そういったことを想定して、介護サービス事業者には、非常災害対策として避難訓

練の実施が義務付けられています。

当方で運営しているデイサービス(通所介護)、小規模多機能型居宅介護事業所で

は年に2回、自主防災訓練を実施しております。

 

また、2年に1回の頻度で、事業所が商店街の中にあることから、商店街の他店舗と

合同で消火訓練や避難誘導訓練を実施しております。

いざとなれば、近隣の店舗の方々が助けてくれることは心強い限りです。

 

昨日、今年1回目の火災を想定した避難訓練を実施いたしました。

  

ご利用者も職員も逃げ遅れることなく無事に避難できたようです。

 

在宅医療の本質(その2)

2018.7.18

昨日の記事の続き・・

 

在宅医療とは、医師や看護師などの医療関係者が患者の生活の場へ出向き医療を行

うことをいい、医師が提供する医療としては、大別すると「訪問診療」と「往診」

があります。

 

訪問診療とは、医師が計画に基づいて診療を行うことをいい、往診とは患者の求め

に応じて診療に出向くことを言います。

 

一般外来に例えると、持病の高血圧症を診てもらい、薬をもらう定期通院が訪問診

療で、風邪をひいて高熱が出たので病院へ行くことが往診ということになります。

 

昨今、在宅医療や地域包括ケアなどが声高らかに叫ばれ続けていることもあって、

在宅医療を掲げる医療機関が増えてきております。

しかし、在宅医療を掲げているクリニックであっても、外来診療の合間に訪問診療

を行っていて、往診については、救急受入れ機能を持つ医療機関へ対応を依頼して

いることが多いのではないでしょうか。

 

先ほどの一般外来の例えで、患者目線で考えたときに、高血圧症はいつものかかり

つけの医師に診てもらい、風邪をひいたら別の医師に診てもらうことが安心につな

がるのかどうかということです。

 

これが、在宅医療(特に自宅)を選択した患者であればなおのこと、いつもの状態

を診てくれる医師と急変した時に診てくれる医師が違うことに大きな不安を持つの

ではないでしょうか。

 

外来診療の合間であっても訪問診療を実施してくださる医師には日頃より感謝申し

上げておりますが、往診を伴わないものであれば、患者からするとそれは本質的な

在宅医療ではないのではないでしょうか。

 

誤解がないように申し添えますが、例えば骨折や脳出血の治療、精密検査といった

専門の医療機関で対応してもらわなければならない状態であれば、当然いつもの医

師ではない所で医療を受けることになるでしょう。

また、皮膚科や眼科、歯科といった専門外科は、外来診療と訪問診療の併用が一般

的でしょう。

 

 

つまりは・・

ここでいう在宅医療が地域になければ、その地域で「自宅」という選択肢を持つこ

とが難しくなるのではないかと思われます。