北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

月別: 2018年11月

本人の考え方と周囲の支え

2018.11.29

先日、イギリスの公共放送BBCが選ぶ、『世界に影響を与えた今年の女性100人』

に、日本人の90歳の女性(高見澤さん)が選ばれたという報道を目にした。

 

高見澤さんは、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックで日本を訪れた

外国人に道案内ができるように英語を話せるようになっておきたい。」とのこと

で、英語の勉強を続けており、そのことが称賛されたらしい。

 

きっかけは、お孫さんとのlineのやり取りの中で、孫が出した英単語のクイズを

祖母が答えることから始まったそうだ。

 

数日前に、90代のご利用者宅へ訪問して、その方と面談した際に「年を取ると何か

と億劫になる。何かしようと思っても年寄りのくせにと思われるのではないかと

心配になる。自宅から一歩でも外へ出れば、誰かに迷惑をかけるのではないと考え

てしまう。」とお話しされていた。

 

90代という年齢から取り上げた話題ではあるが、どの世代にも共通している話題の

ようにも思える。

10代、20代でも閉じこもりがちな方はたくさんいる。一方で、若いころに受けた

障がいを乗り越えて、パラリンピックへの出場を目指して、もう練習に励んでいる

方もいる。

 

自力では、『乗り越えることが難しい壁』が存在することは多分にあるが、

重要なのは、年齢や障がいの有無ではなく、『本人の考え方や周囲の支え』

ではないかと思う。

 

一人で抱えきれない課題があれば、思い切り周囲に手助けを求めてもよいのでは

ないだろうか。

今回支えてもらった人が、別の場面で支える側になることもある。

 

こうした『支え合い』で暮らしは成り立っているように思う。

現代文明って

2018.11.28

先日、「さあ、寝よう」と携帯電話を探したら・・・「ない!」

数時間前まで使用していたので、どこかに置き忘れたはずはない。

家中を探したが見つからない。

 

そうだ!

最近は便利なアプリがある。携帯電話の所在を探すものだ。

早速iPad で検索すると、「あれ?外にある?」

当方の看板犬『もじぃ』の散歩コース付近にあることが示されていた。

 

そう言えば、先ほど散歩へ出かけた時、もじぃにとって産まれて初めての雪という

こともあり、異様にはしゃいでいて、『♪雪やコンコン‥犬は喜び‥』の状態で、

私も一緒になってはしゃいで走り回っていたことを思い出した。

 

暗がりの中、寒さに耐え、探すこと30分、『あった!』

携帯電話が見つかったことは良かったが、これが無いと日常生活に大きな支障を

来す現代社会とそれを探すことが出来る現代文明に翻弄されている自分がいること

に複雑な思いを感じた出来事だった。

 

皆さん、愛犬と散歩する際には、はしゃぎすぎに気をつけましょう。

社会福祉士って、この世に必要?

2018.11.27

私が長年担当しているご利用者に、身内と呼べる者が全くいない方がいる。

その方、認知症を患っていることもあり、成年後見制度の後見人がついている。

同制度利用のための申立をする身内もいなかったので、当市では初となる『江別市

長申し立て』を行った。

 

その方が入院するたびにいつも苦労することがある。

それは、『身元保証人』の欄への記入である。

 

担当ケアマネジャーは他人であり、身元保証はできない。また後見人も本人の代弁

者ではあっても身元保証人ではない。

対する医療機関側は、身元保証人がいない患者を受け入れようとしない。

 

こうした状況を行政機関へ相談しても、「患者の受入れについて行政が病院に対し

て介入することはできない。また、行政機関が身元保証人にもなりえない。」との

返答しかなく、八方塞がりである。

 

前回、このご利用者が入院した際には、「法的効力はない。」と医療機関側に伝え

たうえで、『身元保証人』の欄外に私の名前を記入して受付けてもらった。

 

世の中では、高齢者に係る事故等が起きるたびに、「施設が悪い。ケアマネジャー

が悪い。」と断罪する論調が多く聞かれる。

もちろん、高齢者へ暴力をふるって死亡させるといった犯罪行為は、論外ではある

が、劇的に変化する社会環境や背景に法整備や社会資源が追い付いていない現状に

おいては、『グレーゾーン』なるものが必ずあり、本意ではなくてもその穴埋めを

強いられる者がいるのである。

 

当事者を断罪する論調がある一方で、その背景にある社会問題を取り上げる論調が

起こってもよさそうなものであるが、人を責めることが好きな人間の本質は、そう

簡単には変えられないか。

 

しかし、そうした論調が多勢を占めることになれば、「触らぬ神に祟りなし。リス

クがあるなら何もしない方がまし。」という思考が主流となり、結果として『身内

がいない』といった社会的ハンデを持った方々が切り捨てられることになるのでは

ないだろうか。

 

本来、こうした社会的課題に真っ向からぶつかり、打開するための活動を期待され

ている『社会福祉士(国家資格)』が行政機関や医療機関、民間のサービス事業所

等に数多く配置されているが,その多く(私の知るかぎり)は、事なかれ主義的

思考に侵されてしまっているように思える。

下手をすると、悪しき方向へ促そうとする輩までいる。

 

この国家資格、世の中に必要なのだろうか?

大麻東地区センター文化交流会

2018.11.26

11月24日(土)に大麻東地区センターで毎年開催されている『大麻地区センター

文化交流会』に主催者である自治連合会役員として参加した。

 

この地区センターは、自治会や民生委員の会議場として利用されているほか、地域

住民による音楽や舞踊、手工芸等のサークル活動の場としても利用されている。

10数年前に、それらの活動風景を目にしたときに「もったいない。」との思いが

こみ上げた。

 

これらのサークル活動の多くは、自主活動にとどまっており、どこかへ披露する場

がほとんどなかった。日々の練習も披露の場があるとさらに熱が入り、やりがいを

強く感じられるのではないだろうかと思った。

そこで、当時の自治連合会の会長さんに「年に1回でも、披露する場を作ってはどう

か?」と提案したことがある。

 

この提案が功を奏したのかどうかは定かではないが、翌年に『大麻東地区センター

文化交流会』が開催されることになった。

そして、今回は記念すべき第10回目となる。

 

今年の会では、私は総合司会という大役をいただいた。

三好江別市長を初め、そうそうたる顔ぶれを来賓として招き、会が始まった。

 

そしてオープニングには、大麻東中学校吹奏楽部の演奏で始まった。

 

日頃の練習の成果を披露されている皆さんの顔つきは真剣そのもので、とても

輝いて見えた。

 

 

知っている顔がたくさん舞台に立たれていたが、中には要支援や要介護の認定を

受けている方もいた。まさにこれが、究極の介護予防ではないだろうか。

 

お昼には、同自治連合会女性部の皆さん手作りの『豚汁・おにぎり』をいただく

予定になっていた・・・が、「足りなくなっちゃいました。」とさ、トホホ

 

ご参加いただいた皆さん、準備にあたった役員の皆さん、お疲れさまでした。

雪が降ると何かと慌しくなる。

2018.11.23

昨日は、いろいろなことが重なり、当ブログを更新することができなかった。

 

一昨日から降り始めた雪が昨日になって大雪に代わり、路面が雪で覆われた。

 

朝一番の外部業者との打ち合わせを終了した後、『スコップ・ママさんダンプ・

スノーブラシ』である北国三種の神器?を準備し、午前・午後の会議をこなした。

 

幸い社用車のタイヤ交換は先週の内に全て終わらせていたので安心した・・・。

あっ、「自分の車のタイヤ交換を忘れていた!」

慌てて、タイヤ交換を済ませて、ホッと一息をついたのもつかの間、「送迎中に

社用車が後ろからぶつけられました。」との一報が入った。

 

社用車の後部はグッシャリへこんでいた。運転していたスタッフも背部に痛みを

訴えており、早急に病院受診させた。

同乗していたご利用者は痛みの訴えはなかったが、念のためご家族に対応していた

だき、病院受診してもらうこととした。

 

何やかんやしていると17時を過ぎていた。

その後、18時開始する予定の会議の準備をして、すべてが終わったのが20時、

「何か疲れたから今日は帰ろう!」という1日だった。

 

皆さん、車の運転にはくれぐれも気を付けましょう。

ターミナル期のケアマネジメント

2018.11.21

先月の下旬に相談を受けた『末期がん』を患っていたご利用者が、つい先日

お亡くなりになった。

この場を借りて、ご冥福をお祈り申し上げたい。

 

主治医から「予後1ヶ月と考えている。」と言われた通りの結果になってしまったが

あまりにも早く、残念な思いがこみ上げた。

 

今回のような、いわゆる『ターミナル期』の対応においては、在宅のケアマネー

ジャーの役割や提供すべき情報が通常と若干異なることが多い。

 

介護保険制度上、ケアプランの作成者はケアマネージャーであるが、日々刻々と

病状や状態が変化する中においては、頻繁にアセスメントしてケアプランを修正

していても、事が間に合わない場合が多い。

また、アセスメントするための材料が、医療ニーズによるところが多いため、担当

医師を中心とした医療チームが中核となってアセスメントとプランニングを行う

ほうが実利に適っている。

そのため、必要なプランニングとサービス調整を行う他は、『裏方にまわる』こと

に徹して、医療チームをサポートすることが重要と考えている。

 

事実、今回のご利用者が利用した福祉用具の選定は、医師や訪問看護師の見立てを

ほぼ、そのまま採用した。

 

その日に面談した時点で、自力でトイレまで歩行できていたにもかかわらず、

主治医から「今すぐ、特殊寝台(電動ベッド)と車いすを用意したほうがいい。」

と言われても、こちらとしては中々ピンっとこない。

 

しかし、結果をみると、それらの福祉用具を導入した4日後には、自力で起き上が

ることも歩くことも難しくなっていた。

 

お亡くなりになる前日に、家族と面談していた時の会話は、通常のモニタリング

訪問時のものとは大きく異なり、「マンションの名義はどのように変更したらよい

のか? 相続登記って何? 本人名義の通帳の解約手続きってどうやるの?」と

いった内容がほとんどであった。

 

最終的には、知人の司法書士を紹介したが、こうした内容についても、ある程度

は情報提供する責務がケアマネージャーにはあると考えている。

 

ご家族にとってみれば、看病中も非常に大変な思いをするが、亡くなられた後も

より一層、混乱や不安に苛まれることになる。

 

こうした状況にも『寄り添えるケアマネージャー』であり続けたい。

 

 

江別訪問診療所との交流会

2018.11.20

今月に開設した『江別訪問診療所』は、何度も当ブログで紹介したように、江別市

では初となる訪問診療に特化した診療所である。

ご縁があって、当方が事業所を置く商店街内に開設していただくことができた。

 

開設前から、日下院長とは『在宅における医療・介護・福祉の連携』について、

熱い議論を交わすことも多くあり、当方事務所で毎月開催している『大麻地域創造

会議』にもご出席いただいていた。

 

開設時に、「少し落ち着いたら、互いの親睦を深める場を作ろう。」との約束が

ようやく実現した。

 

今後、訪問診療のニーズが益々広がりを見せることが予想されるため、先生の

ご活躍を大いに期待するとともに、一つしかない体をご自愛いただきたい。

沖縄三線島唄ライブ

2018.11.19

今年の9月7日に当方施設で開催を予定していた『沖縄三線島唄ライブ』が震災の

影響で順延となってしまったが、ようやくリベンジすることができ、先週金曜日に

開催することができた。

 

演者はもちろんこの人!『稲嶺盛玄』さん

 

相変わらずの声量とコミカルなトークで、会場を大いに盛り上げていただいた。

 

稲嶺さんが躍れば・・          ご利用者も踊る・・

 

ついでにスタッフも踊る?・・

 

ライブ前にみんなで頂いた沖縄料理が

実に美味しかった。           作ったのはこの人!『きよし』くん

 

昨晩の営業終了後、同料理の仕込みでほとんど寝ていない彼(本当にありがとう)

 

ライブ終了後には、稲嶺さんと打ち上げ!会場は、狸小路の名店『焼きそば じろ』

 

店主自慢のお好み焼き?         お好み焼きをいただいた。

 

実に美味しかった!

 

本ライブを盛り上げていただいた、稲嶺さん、山田さん

そして、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

 

来年もやったるで~!!

 

通所介護(デイサービス)の役割と今後(その2)

2018.11.17

昨日に引き続き、通所介護(デイサービス)の今後について書いてみたいと思う。

 

同事業の今後の在り方は、大きく分けると二つの方向性ではないだろうか。

①時代の流れに抗って、『高齢者の社会的孤立の解消、心身機能の低下予防、家族

介護負担の軽減』すべてを網羅した従来型の事業

②『心身機能の低下予防』に特化した事業

のいづれかの道を歩むことになるのではないかと思う。

 

ただし、①・②のいづれの道を選択したとしても、介護報酬の減額という流れに

逆らうことはできないので、ひと工夫が必要になってくるだろう。

 

①の事業を実施する場合には、

介護保険外サービスも併せて行うことになるのではないかと思う。

つまりは、『介護保険制度では認められていない、或いは制度を使うまでもない』

些細な支援について、『自費サービス契約』を結ぶということである。

その支援とは主に、ゴミ捨てや買い物の代行などが当てはまると考えられる。

また、専門スタッフを減らし、ボランタリーな支援者や補助スタッフを増やす人員

体制を敷く必要性があるだろう。

さらには、規模をより大きくして、スケールメリットが活かせる状況を作っておく

必要もあるだろう。

逆の見方をすると、小規模な事業体は運営維持が難しくなり、廃業に追い込まれる

可能性が高くなってくる。

 

そうした場合には、地域の支え合い活動や高齢者クラブ、ボランタリーな活動、

または小規模多機能型居宅介護とのすみわけが求められてくる。

 

いずれにしても、

介護保険制度の創設当初、『介護の万能選手』と持てはやされた通所介護(デイ

サービス)は、『中途半端な何でも屋』に成り下がろうとしているように感じる。

 

少し長くなってしまった。

②については、いつの日にか書いてみたいと思う。

通所介護(デイサービス)の役割と今後(その1)

2018.11.15

通所介護(デイサービス)というと、2000年(平成12年)に創設された介護保険

制度が始まりと勘違いしている業界人も少なくないが、その歴史は意外と古い。

 

1979年(昭和54年)に市町村事業として開始された、在宅にいる寝たきりの

高齢者を対象とした『老人デイサービス』がその始まりと言われている。

その後、老人福祉法、介護保険法に位置付けられ、国策として実施されるように

なり、現在に至っている。

 

ところで、『昭和』という文字は、自分の生年月日を書く時以外にはほとんど

使わなくなったなぁ~。

来年には新年号となり、さらに使わなくなってくるのかなぁ~と思ったりする。

 

話しを戻すと、通所介護(デイサービス)は、

①高齢者の社会的孤立の解消、②心身機能の低下予防、③家族介護負担の軽減を

主な目的として事業化され、老人福祉法、介護保険法へと主軸が移った後もこの

考え方は受け継がれていった。

 

介護保険制度が創設されて以降、通所介護(デイサービス)は『介護の万能選手』

と持てはやされ、ケアマネジャーの作るケアプランには十中八九このサービスが

位置付けられていたように思う。

 

時は流れ、時代背景の変化や制度の成熟度が増すにつれて、支援を必要とする方々

(以降、要援護者という)の生活ニーズが多様化していくにつれて、通所介護

(デイサービス)は、『②心身機能の低下予防』に特化した役割を持つように

なってきた。

逆の見方をすると、『①社会的孤立の解消、③家族介護負担の軽減』が役割から

そぎ落とされるようになってきたように思う。

 

昨今の国の考え方を見ていると、

『①社会的孤立の解消』は、地域の支え合い活動や高齢者クラブ、ボランタリーな

活動で実現しようと考え、

『③家族介護負担の軽減』は、ショートステイや有料老人ホーム等への入居で実現

しようと考え、

それらの枠組みに当てはまらない要援護者を『小規模多機能型居宅介護』で

フォローしようと考えているように見える。

 

この考え方には特に異論はなく、自然の流れかなぁ~と思う。

では、通所介護(デイサービス)は今後、どのような考え方に基づいて運営して

いけばよいのだろうか。

 

次回、このことについて私見を述べてみたい。