当方も運営している『小規模多機能型居宅介護』の事業者数が、中々増えない。
高齢者人口が爆発的に増え続けている中で、高齢者施設やその他の在宅サービスは
軒並み増え続けているにもかかわらずである。
当ブログで何度も紹介している小規模多機能型居宅介護であるが、未だに十分な
理解が得られていないと思われる。
本来、熟知していなければならない介護支援専門員(ケアマネジャー)の中にも
この事業がどのような特徴があって、ご利用者やご家族にどのような有益性がある
のかについて、適切に説明できない者もいる。
在宅で生活している支援を必要とする方々の多くは、訪問介護(ヘルパー)や通所
介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)などを組み合わせて利用して
在宅生活を継続している。
これらの在宅サービスは、基本的に利用する曜日や時間が予め決められており、
臨時や緊急の利用でもない限りは、決められた範囲内でサービスの提供を受ける
ことになる。
そして、サービス提供を受けている時間以外の支援は、家族等が行うことになる。
しかし、ご利用者の全てが、家族を含めた身近な介護者を多数抱えているわけでは
ない。一人暮らしで家族は遠方に居て、近所付き合いもほとんどないという方や
夫婦二人暮らしで、互いに高齢で何とか支え合っているという方など、『介護力』
が脆弱な方々が多数いらっしゃる。
介護サービスを利用している時間と時間の間に生じる『隙間』は、家族等の身近な
介護者が埋めているが、その身近な介護者が(ほとんど)いない方は、在宅で生活
することをあきらめなければならなくなることが多い。
『小規模多機能型居宅介護』は、24時間365日切れ目なくサービス提供を行う事業
である。一般的に、家族等の身近な介護者が埋めていた『隙間』も介護サービスで
対応することが同事業の大きな特徴である。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、
そのことへの理解がなければ、ご利用者やご家族へ適切な提案ができない。