一般的には、平常時に組織のリーダーが活躍する(目立つ)ことはあまりない。
なぜなら、
あらかじめ決められたルールや流れに沿って物事が進んでいる時に、リーダーが
必要以上に介入すると現場に更なる混乱を招くことになるからである。
しかし、非常時は全く別である。
あらかじめ決められたルールや流れに沿っては、物事が進まないことが多いため、
リーダーの介入が必要となる。
東日本大震災や胆振東部地震、今回の新型コロナウイルス感染症拡大がその非常時
にあたる。
そういった時には、リーダーが文字通り『リーダーシップ』を発揮して、最悪の
事態を招くことを防ぐために采配を振る。
最悪の事態とは、国家で言えば国の転覆、企業で言えば倒産、家庭で言えば家庭
崩壊といったところであろう。
そして、最悪の事態を防ぐために、リーダーには平常時とは異なった思考や行動が
求められる。
『多少の犠牲を払ってでもこの難局を乗り切る』という確固たる信念である。
このような場合、『平等や多数決、多くの人たちの意向』は役に立たないばかりか
最悪の事態を防ぐことへの阻害因子となってしまうことがある。
これまで、多くの日本国民は『総理大臣が誰であっても一緒、政治家に期待する
ことは特にない。』といって政治に関心を示さなかった。
この先、非常時が絶対に来ないという確証があれば、それで良いのかもしれない。
しかし、残念ながら非常時は何時ともなくやってくる。
選挙のことばかりが頭にあって、有効な手立てを迅速に採れないリーダーはもう
必要ない。
今一番やらなければならないことは、『2枚のマスク配給』ではない。