介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割は、
「困りごとを抱えている人(利用者)」と「支援する人や物、制度(社会資源)」
との縁結びを行うことにある。
そのため、直接的な支援を行うことはあまりない。
しかし、現実的には「困りごとを解決するための社会資源が見当たらず、目の前の
困りごとを解決するためには自分が支援者として動くしかない」という場面に遭遇
することがある。
先日、身寄りがいない方の病院受診の送り迎えと付き添いを行った。
お金がない、時間がない、支援者がいないなど様々な条件が重なってしまい、適当
な社会資源との縁結びを行うことができず、結果として自分が支援者となることを
選択した。
しかし、私としては、こうした行為は介護支援専門員として非常に不適切であると
考えている。
「適当な社会資源を見つけて調整する」という本来の役割を放棄して、安易な方法
で問題を解決しようとしたに過ぎない。
介護支援専門員の中に、時には支援者となる役割も適切と思っている人がいる。
が、それは違う。
困りごとを抱えている人にとって支援は、安定供給してもらいたいものである。
介護支援専門員は、介護保険制度の下で唯一、『社会資源の発掘や創造』の役割を
与えられている。
その役割を放棄してしまえば、その次に困りごとを抱えた人への対応がおろそかに
なってしまう。
仕方がなかったとはいえ、今回の自分の選択を恥じている。