北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

自立支援という名の強制収容所

2020.8.21

人は等しく、毎年1歳年を取る。

この世に生を受け、成長期から成熟期、衰退期へと移り変わっていく。

 

私たちが日々支援している方々の多くは、衰退期にある。

また、進行性の難治疾患によって、年齢にかかわらず、通常を超えるスピードで

衰退が進んでいく方々もいる。

 

それでも、厚生労働省やそのお抱えの医療関係者は「自立支援、自立支援」と魔法

の呪文を連呼する。

そして国を挙げて、高齢者にやりたくもない運動を強制し、飲みたくもない水分を

体調を壊すまで飲ませるのである。

馬鹿正直で主体性がない日本人は、「国の言うことだから」と疑問すら感じず、

ひたすら「運動、水分」を続けるのである。

ここは、戦時中の強制収容所か!

この世は、老いていくことに正面から向き合い、穏やかに年を重ねることも許され

ないということか。

 

多くの人は、「年をとっても、できるだけ元気でいたいし、家族や人様に迷惑を

かけたくない」と思っていることだろう。

 

ただ、国が掲げる『自立支援』は不純な動機と偏ったアプローチと言っていい。

「国は金がないんだから、高齢者は年金など貰わず、とことん働け!」とか

「医学的に健康でいることが人として一番大切だ!」などなど

 

人間は、機械でもロボットでもない。錆びたら油をさし、壊れたら部品を交換した

らよいわけではない。

また、休憩もとるし、傍からみると「何が楽しいのか」と思うような娯楽に興じる

いわゆる『無駄なこと』をするのである。

そして、その『無駄』が何より生きる糧となり、元気の源になる。

 

毎週金曜日に開催している地域交流カフェのイベントは、そんな『かけがえの

無い、人として大切な無駄』の場を提供している。

 

今日は、当方の活動に参加してくれている会員さんによる『マジックショー』を

行った。

 

 

 

ちょうど、当方が運営する施設へ実習に来ていた大学生にも飛び入りで参加して

もらい、大いに盛り上がった。

 

国が推奨する医療(科学的)モデルの介護予防や自立支援よりも、よっぽど人間

らしいし、十分な検証はできていないが、より効果が高いように感じている。

 

医学的な健康に気を使いすぎて病気になるよりも、支援が必要なのに自立を不必要

に意識するよりも、情緒的な結びつきを大切にして、自分らしく生きたいと思う。