新規事業の立ち上げ準備が大詰めを迎え、何かと忙しくしていたこともあって
中々ブログを更新できずにいた。
久しぶりに書こうと思って前回の内容を見直したら、「あれ?続きは明日に持ち
越しって書いてる」ということに気が付いたので、取り急ぎ続きを書こうと思う。
前回、認知症状などによって同意に必要な判断能力が十分にはなく、本人の代弁者
となる家族がいない場合に必要な医療行為が受けられなくなる医療侵襲行為の
同意権を取り上げていた。
こうした問題は日本固有のものではなく、諸外国でも同様に問題提起されていた。
そして、詳細は割愛するが大筋では以下のような考え方で対応している国々がある
ので、まずはそのことを紹介したい。
アメリカでは、特定の家族のほかに後見人に同意権が認められている。
ドイツでは、本人があらかじめ指名した代理人に同意権を認め、代理人ではない
家族には同意権を認めないという考え方である。
イギリスでは、こうした状況にあった場合には、その大部分を医師の判断に委ねる
という考え方で法整備されている。
こうした諸外国の考え方や取り組みを一つの参考として、少子高齢化が他国と比較
にならないほど急速に進んでいる我が国の法整備が急がれるところである。
私見ではあるが、
本人があらかじめ指名した代理人を準備することができれば、法執行機関の管理
監督の下で同人に同意権を認めることが妥当のように思う。
その際に、代理人=成年後見制度における後見人とすることには些か疑問が残る。
後見人には、家族や親族が指名される場合も多くあるため、そういう事例では
代理人=後見人で良いように思うが、認知症状を発症する以前の本人の意向や趣向
をあまりよく知らない弁護士や司法書士などが後見人となった場合、身内でもなく
医療の専門知識が十分ではない同人に同意権まで委ねてよいのだろうかと思う。
そのため、本人があらかじめ指名した代理人の準備が整う前に事が発生した場合に
は、倫理委員会などの客観的第三者の管理監督の下で医師の判断に委ねることが
妥当のように思う。
その場合には、当ブログでも何度か取り上げた『延命措置』については別途議論を
重ねて明確な指針を示した方が良いようのではなかろうか。