先日、
厚生労働省は16日、社会保障審議会の分科会で、訪問看護の運営基準の見直しを
提案し、サービス提供を担う職員に占める看護職員の割合が6割以上であることを
介護保険の給付を受ける必須の条件に、一定の経過期間を挟んだうえで適用したい
考えを示した。
リハビリテーション専門職による訪問が非常に多い事業所があることを念頭に、
事実上の“訪問リハステーション”を認めないスタンスを鮮明に打ち出した格好だ。
との報道を見た。
率直な感想としては、「なんて下らないことを話し合う会合だ。」である。
どんな理屈を並べても、看護協会とリハビリ協会の政治的な綱引きでしかない。
一部では、「リハビリ職による訪問が多数を占めており、実質的には訪問リハビリ
ステーションになっている」と指摘している人がいるらしい。
そうであるなら、初めから訪問看護ステーションにリハビリ職の配置を認める法に
しなければよかったのに、必要だから配置したけど多数を占めるようになってきた
から邪魔者扱いをするなんて、ご都合主義にもほどがある。
当方の訪問看護ステーションの看護職とリハ職との比率は、6:4となっている。
この比率が7:3になろうと5:5になろうと提供するサービスの質が変わるわけ
ではない。
むしろ、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という各専門分野
のスタッフを配置していることで多様なニーズにこたえることができていると自負
している。
また、『訪問看護』とは別に『訪問リハビリテーション』というサービス種別が
介護保険制度にはあるが、後者の事業はサービス提供をうけるためにご利用者や
ご家族にかかる経済的、身体的な負担が大きくなる危険性を秘めている。
そのため、そういった負担が少ない『訪問看護』によるリハビリテーションが重宝
されてきた経緯がある。
こうした負担の解消も話し合われない、ご利用者不在の政治的な綱引きなど無用の
長物以外の何物でもない。