北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

マスクつけて熱中症

2022.7.4

先週末、札幌市近郊の気温が30度を超える真夏日を記録した。

とうとう北海道にも『本物の夏』が来る。

 

この様な時期になる我々の業界の人たちが気にすることは、『熱中症』である。

熱中症は、子供たちによく起きるというイメージを持っている方がいらっしゃる

かもしれないが、活動性が低下して、屋内で過ごすことが多い要援護高齢者に起き

てしまうことの方が多い。

 

熱中症は、高温多湿の環境下で長時間過ごすことによって体温調節機能や体内の

水分と塩分のバランスを崩すことによって、めまいや吐き気といった比較的軽度の

症状からけいれん発作や意識障害といった重篤な症状を引き起こし、時として命を

取られてしまうこともある。

 

高齢者は、一般成人と比較すると

・体内に水分を溜める機能が衰え、脱水状態になりやすい。

・寒暖の感覚が鈍くなり、高温多湿の場所にいても違和感を覚えにくい。

・喉の渇きを感じにくく、自発的な水分摂取につながりにくい。

・汗をかく機能が衰え、体温を下げることが難しくなる。

などの特徴があり、体内に熱をため込んでしまい熱中症を発症しやすい。

また、持病を抱えているとその危険度はさらに増してしまう。

 

「それじゃー、室内の温度や湿度を下げて、水分を補給することで解決する

だろう」というとそれほど単純でもない。

高齢者の場合には、そもそも室温も体温も違和感を覚えていないことが多いため、

換気しようと窓を開けたり冷房を付けても「寒い」といって閉めたり消したりして

しまう方が多くいる。

また、喉が渇いていないのに水分摂取を促しても行動につながらないことも多い。

さらには、『真水』をむやみに摂取すると体内の塩分濃度が低下してしまい、調整

しようとして水分を体内から排出する作用が働くと脱水状態が加速してしまう。

 

そのため、周囲の方々の配慮や支援が重要になってくる。

対象となる高齢者の生活習慣や嗜好に合わせて、換気や適切な水分・塩分摂取が

できるように支援する必要がある。

また、冷房機器を利用するとしても、「寒い」と感じにくい除湿機能のみを利用

するなどの工夫も必要となる。

 

明確な根拠もなく「コロナコロナ」と騒ぎ立て、外出や交流の自粛、マスクの着用

を正論として掲げるほどに、脱水症で命を落とす高齢者が増えてしまうのではない

かと心配している。

人流抑制もマスクの着用も感染症拡大への抑止に優位な効果は得られていない。