北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

求職者に警戒される悲劇

2022.7.26

先日、ナーシングホームみのりの丘開設時にお世話になった求人情報誌の担当者と

新規の求人情報掲載について打ち合わせをした。そして、その時に同担当者から

耳を疑うような言葉が聞かれた。

それは、「御社求人の給与は、札幌市及び近郊の事業所と比較すると非常に高く

設定されているが、好意的にみる方がいる反面、警戒する方がいると考えられる」

といった趣旨の内容だった。

たしかに、他社の求人情報を検索してみると、当方の給与額が「頭一つ出ている」

という印象を受ける。

 

しかし何だか腑に落ちない。

当方の基本給(時給)は、最低賃金より少し多く設定しているだけで、特別破格の

設定にはなっていない。また、介護従事者については、処遇改善に係る諸手当を

上乗せで支給している程度で、当方独自の手当を上乗せして支給しているわけでは

ない。

そこで思うこととしては、「他社の介護従事者の求人には、処遇改善に係る諸手当

が、あまり(ほとんど)上乗せされていないのではないか」ということである。

 

介護保険法に定められる『①介護職員処遇改善加算、②介護職員等特定処遇改善

加算、 ③介護職員等ベースアップ等支援加算』は、違反スレスレで危ない橋を渡ら

なければ算定することができないといった類のものではなく、ルール通りに運営

していれば、どの会社(法人)でも簡単に算定することが可能な加算である。

地域によっては、有資格者の人員をルール通りに配置することができず、結果と

して同加算を算定することが難しい会社(法人)はあるかもしれないが、札幌市

及びその近郊にあっては、そんなに難しいことではないだろう。

 

にもかかわらず、驚いたことに、①の加算は90%以上の事業者が届け出ているが

②に加算については70%程度の事業所しか届け出ていない。③の加算は新設され

たばかりのものなので届出のデータはないが、届け出ている事業所は70%以下で

あることが予想できる。

それでも、70%の事業所が同加算を算定しているのだから、同割合の事業所の

介護従事者の求人が当方のそれと同程度であっても不思議ではないはずである。

 

これは少しうがった見方にはなるが、「同加算を算定して得た報酬額は、その同額

をスタッフへ還元しなければならないというルールを守っていない事業所が多く

あるのではないか」ということである。

たしかに、同加算を算定して得た報酬額のスタッフへの還元方法は、会社(法人)

にある程度ゆだねられており、全額を“給与等の所得”に反映させなくてもよいと

いうルールもあるが、「給与が安い」と揶揄されるこの業界にあって、国が所得

向上を後押ししてくれている状況下で、当方の給与額が「頭一つ出ている」という

事実は残念でならないし、そのことで求職者に警戒されるなどと言うことは悲劇

でしかない。

 

この場を借りて申し上げるが、当方はスタッフに過度な労働を強いるような組織

では一切ない。ただ真面目に事業に取り組んでいるだけである。