北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

マインドコントロールは特別なものではない

2022.8.22

もしもあなたが、人のマインドをコントロールすることが出来たら、しかも1人や

2人ではなく、何万何十万の人をコントロールすることができたら。

ひょっとしたら、誰しも一度くらいはこんなことを考えたことがあるのではなか

ろうか。

 

ネガティブなニュアンスで用いられることもある“マインドコントロール”は、

教育や治療、競技のトレーニングなどに用いられることが多い科学的なアプローチ

で、「人の持つ能力を最大限まで引き出す効果がある」と期待されている。

しかし、対象者にとって有用なはずのこの手段が、欲深い操作者の手によって

“洗脳”へとすり替えられることが度々起こる。

 

人の生活や生命は、精神状態や精神活動に支配されていると言っても過言ではなく

人が日々行っている意思決定や行動の大部分は、心理的要素に起因している。(だ

から、精神活動を無視した医学的アプローチ重視の介護予防プログラムは有用では

ないと繰り返し訴えている)

 

人の心理は非常に不安定でもろい。

そのため、ちょっとした知識と行動力があれば、人のマインドをコントロールして

悪用することはそんなに難しいことではない。

ここのところよく話題になる「振り込め詐欺、霊感商法」などは、こうした知識を

応用して行われていて、タイミングさえ合えばだれでも簡単に騙される。

 

しかし、“マインドコントロール”を応用した手法は、犯罪行為ばかりではなく

我々の日常で多く利用されている。

例えば、『宣伝広告』もその一つである。

学生のときに専攻した産業心理学では、どのような広告が消費者の行動に直結する

のかという研究を行っていた。その時には、商品の広告となる画像や動画を複数枚

作成して被験者に見てもらい、音や色合い、文字の大きさなど複数の要素をどのよ

うに組み合わせることによって、より購買意欲を増すことができるのか検証した。

 

つまり、“マインドコントロール”は、非日常の特別なものではなく、日常にあふれ

るごく普通のもので、人が“心”を持っている以上は避けて通ることができない道で

ある。さらに、人は“欲”を持っている以上、悪用されることもまた避けることが

できない。

 

だからこそ、“マインドコントロール”を特別なものとして取り扱ったり、タブー視

してはいけない。タブー視するほどに、第二第三の「オウム真理教や統一教会」が

生まれるだけである。それらの教団を壊滅に追い込んだとしても、次の教団や反社

会的な組織が誕生するにすぎない。

全ての人が、“マインドコントロール”を「ごく当たり前に存在するもの」と受入れ

上手に付き合っていくことを覚えれば(セルフコントロールができようになれば

なお良い)、多くの犯罪行為や争いごとを避けることができると考えている。