北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

広げすぎた風呂敷を少し畳むべき(その2)

2022.11.3

前回、このまま介護保険制度が『応能負担化』していくことは、制度崩壊の

カウントダウンを意味しているように思うと述べた。

ではどうするべきなのか。

 

財源に対してサービスを利用する方が少なければ、そもそも大きな負担を強いられ

ることはないため、所得が高い方でも負担額はそれなりの金額設定にすることが

できる。

では、どうすることで世界に誇れる日本の介護保険制度を無理なく継続することが

できるのだろうか。

それは、当ブログで何度も主張している「何でもかんでも公的社会保険で賄おうと

する考え方を捨てるべきである」ということに尽きる。

 

そこで私がいつも思う、「主要野党の方針と主張していることは大きく矛盾して

いる」ことに気が付く人もいることだろう。

主要野党の方針をみると、北欧諸国のような社会資本主義的な“大きな政府”を目指

しているように思う。そして、その方針を実現するためには、超多額の税収が必要

となる。にもかかわらず、「減税!減税!」と主張している。

少ない税収で多くの公的サービスを提供しようとすると当然財政難に陥る。そこで

主要野党は、「金持ちからタンマリ税金を搾り取ればいい」と考えている。

この考え方に賛同できなくもないが、金持ちとはいいがたい所得層からも高額の

負担を徴収しようとしたり、金持ちから超高額の負担を徴収しようとするなど、

“やりすぎ”感が否めない。そうした状況に拍車がかかれば、金持ちは国外へ自分

や資金を移動させてしまい、結果的に財政難に拍車をかけることになってしまう。

先日の審議会で協議された内容は、この“やりすぎ”状態に近づいている。

 

この先の人口減少などから考えても、“大きくなりすぎた政府”を少し小さくする

必要があるように思う。

予防給付や軽度要介護者のための通所サービスや訪問サービスが無駄だとは思わ

ない。ただし、それらのサービスも公的社会保険で賄った結果、支援を受けなけ

れば生活を維持することが難しい重度要介護者が高い保険料を支払った上に7割

8割自己負担しなければサービスを利用できないという事態は防ぐべきである。

また、財源を確保するためだけの目的で介護サービスを利用する可能性がほとんど

ない20代、30代の若者からも保険料を徴収することも避けるべきであろう。

 

地域社会を含めたインフォーマルな社会資源がこうした予防給付や軽度要介護者の

受け皿となれるように御膳立てすることが国に求められることであり、軌道に乗っ

て地域社会にお任せできれば、広げすぎた風呂敷を狭くたたむことができて、本当

に困ったとき、誰もが安価に公的な社会保険サービスが利用できるようになると

思う。