前回の当ブログで、
ここのところ、少子化対策とセットで、政府が話題としてとりあげていることに
『労働環境の改善』や『労働者の賃上げ』があるとして、労働環境の改善について
書いてみた。
今回は、『労働者の賃上げ』について書いてみようと思う。
労働者にとって賃上げは大変喜ばしいことであり、多くの経営者もできる限り多く
の賃金を労働者へ支払いたいと思っているはずである。
しかし、ここ数十年の日本の企業の約6割から7割が赤字経営であることを皆さん
ご存じだろうか。そして、新型コロナウイルスの流行や円安、ウクライナ有事など
企業へ打撃を与える事柄が立て続けに起きているため、その状況は改善するどころ
か悪化の一途をたどっている。
多くの経営者の心の内は、「給料を上げたいけど、無い袖は振れないし、無理して
しまえば会社がつぶれてしまう」といったところではないだろうか。
ただ、日本は欧米先進国と比較すると「企業が倒産しにくい国」と言われている。
それは、赤字計上した企業は法人税が免額になることや計上した赤字の額を複数年
引き継ぐことができたりといった優遇措置があるため、ちょっとくらいの赤字では
簡単に潰れないし、悪質な企業は法人税免額を狙ってわざと赤字計上したりする。
ここで何を言いたいのかというと、国は企業を“生かさず殺さず”都合よく利用した
いと考えているということである。
幾重にもわたる規制をかけて雁字搦めにして箍をはめて、それでも利益を上げれば
搾り取れるだけ搾り取る。でも、いざ潰れそうになれば潰れない程度に手を差し伸
べる。企業の意思や主体性は無いに越したことはないと考えている。
こうした状況の中では、一企業の努力で欧米先進国並みの『労働者の賃上げ』が
実現できるとは到底思えない。
昨今の政府の考えは、社会主義国家を目指しているように聞こえてならない。
そうなれば、『労働者の賃上げ』などさらに遠い話になってしまうだろう。