先月末に、国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」の
最新版によると、およそ50年後の2070年の総人口が、2020年比で約3割
減の8700万人になると見込んでいるとのことだった。
また、高齢者数のピークは2043年の3953万人で、現役世代の急減に伴って
高齢化率は一貫して上昇していき、2070年には38.7%に達するそうだ。
2020年の高齢化率が28.5%であったことを踏まえると、50年で10%も
上昇する「少子高齢化が超加速度的に進んでいく」ことが改めて明らかとなり、
公的サービスや各種産業が抱える深刻な財源と人材の不足への対策が、いよいよ
”待ったなし”の状況となった。
当然、国家予算の大部分を占める社会保障費に手を付けないわけにはいかないため
、医療や介護保険に係る政策は大幅な変更を余儀なくされることが予想できる。
ただし、高齢者人口増や生産年齢人口減に伴う個人負担の増額はやむを得ないと
しても、現状の社会保障サービスを維持するために個人負担を増やすことだけは
やめてもらいたい。
また、日本で働きたいと考えている外国人を歓迎することはあっても、頭数を揃え
るための半ば強引な政策によって外国人労働者を募ることもやめてもらいたい。
政策担当者も一般国民も、日本が人口減少国であることを受け入れる必要がある。
財源も人も、少ないなら少ないなりのやり方というものがある。いつまでも、潤沢
な財源や人材がいた頃の思い出に浸っている場合ではない。
おそらく、現状の介護保険サービスを維持するためには、個人負担も労働量も倍の
量が必要となってくる。しかし、そのような状況に耐えることができる国民はごく
わずかであろうし、そうした状況が長く続けば耐えてきた国民もいずれは潰れて
しまうだろう。
現状の介護保険サービスの中で、公的サービスとしてふさわしくないサービスや
代替えが可能なサービスは、即刻保険サービスから外すべきであろう。
非現実的な理想論ばかりを掲げて問題を先送りするような人たちの主張を聞くこと
にはうんざりしている。