北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

若者たちに財源の分配を!

2023.5.9

『岸田文雄首相が掲げる異次元の少子化対策にかかる財源の確保策として、与党内

で医療や介護、年金などの保険料の一部を活用する案が出ていた経緯がある。一方

で、加藤厚労相は「医療、介護、年金などで保険料を頂いているが、医療は医療、

年金は年金に使うという制度の目的がある」、「例えば年金や医療のお金を子ども

にもっていく、という余地は正直に言ってない。今でも医療などでは保険料を上げ

ていかざるを得ない状況」と言明した』

との報道を見て思うこと。

 

社会保険という制度は、「社会全体で困っている人を支えよう」という考え方に

基づいている。そのため、現状困っていない人(将来はわからないが)からも保険

料を徴収するシステムとなっている。

ただし、介護保険や公的年金保険の制度は些か歪な作りになっているように思う。

 

保険制度は、現状困っていなかったとしてもいざ困った状況になれば保険サービス

を利用することができる制度になっていなければならない。しかし、介護保険制度

は、財源の一部として全ての国民が支払っている消費税が導入されているにもかか

わらず、いざ困った状況になっても40歳以上でなければ保険サービスを利用する

権利が発生しない(病状等によっては65歳以上でなければ権利がない)。

39歳以下の人たちにとっては、支払いだけ求められて、必要が生じても使うこと

すらできない制度などアホらしくて加入したくはないだろう。

もし、傷害保険に加入しても40歳以上でなければ保険給付が得られないとした

ら、みな40歳になってから加入するだろう。

それほど、介護保険制度はおかしな作りとなっている。

 

また、公的年金制度は賦課方式を採用しているのだが、この方法は自分たちが積み

立てた保険料が分配されるのではなく、年金を受け取ることになった時点でその時

の若者たちが支払っている保険料が分配される。

それは、年金を受け取ることになった時点の若者の数によって、そして高齢者の数

によって受け取ることができる年金額が大きく変わってくることを意味する。

つまり、世代間の格差が非常に大きくなる制度である。

 

はっきり言って、これらの保険制度は、今の若者をイジメるだけイジメぬいて、

高齢者を厚遇する制度に他ならない。

それでも、今の若者が将来自分たちが介護が必要となったり、年金を受給すること

になった時に報われるのであれば苦労のしがいもあるが、若者の数が先細りして

いる状況からその苦労が十分に報われることは期待できない。

 

加藤大臣!

若者たちに支払いを求めるばかりではなく、もう少し若者たちに財源が配分される

ことを考えても罰は当たらないのではありませんか。

もう少し本気で、これからの世代を支える政策を実行しましょうよ。