北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

左利きへの矯正

2023.5.12

「右からケアプランを作り始めるケアマネジャー」

と聞いてピンとくる人は、中々の”通な人”といえる。

 

ケアマネジャーが作成するケアプラン(特に居宅サービス計画書(2))の書式

は、簡単に言うと左から『①課題⇒②課題の原因(目標)⇒③原因の解決の方法』

となっている。

つまり、左から右へ作成する手順が進んでいく書式となっている。

何か問題が起きた場合の一般的な思考も、「その問題の原因を分析して、その原因

を解決するための方法を導き出し、そして実行に移す」という流れで進む。

 

なのに何故か、右からケアプランを作り始めるケアマネジャーが非常に多い。私の

知る限りではあるが、8割方のケアマネジャーがそのようにしている。

一般の方にとってみると、「何もないところから、③原因の解決の方法が始まる

わけないだろう」と思われるかもしれない。

残念ながら現実に起きている。いや日常的に起きている。

 

ここでいう「③原因の解決の方法」は何を指すのかというと、デイサービスやヘル

パーサービスなどのことである。

つまり、「デイサービスを利用する」ことありきで話が始まるということである。

そして、②課題の原因(目標)や①課題を後付けで作り始める。

これが、「右からケアプランを作り始めるケアマネジャー」の正体である。

 

こういうケアマネジャーは、「課題が何なのか」、「課題の原因は何なのか」と

いうことにあまり関心がなく、「とにかく介護サービスを利用する」ことにばかり

気が向いている。「このケアマネは、ろくに話も聞かないでやたらと介護サービス

の利用を勧めてくるなぁ」と思ったら要注意である。

こういうケアマネジャーに担当されると、「介護サービスを利用することで偶発的

に課題が解決する」ことに期待するしかなくなる。

 

例えるなら、病気に詳しくない適当な医者が、患者に対して自分の手元にある薬を

適当に処方したところ、偶々病気の症状が治まったといった状況である。

例えにあるように、偶々であっても症状が治まったのであれば良いのだろうが、

そもそも薬は人体に影響を与えるものである。病状が悪化することもあれば、別の

病気が新たに発症してしまう危険性もある。

当然のことながら、適当に取り扱ってよい代物ではない。

 

また、その病気を治す最適な方法が”薬”とは限らない。

適度に体を動かすことによって症状が治まることもあれば、緊急手術を行わなけれ

ば手遅れとなることだってある。

病気に詳しくない適当な医者にそんな見立てはできるわけもなく、そんな医者に

担当されてしまえば悲劇でしかない。

 

察しのいい方であれば言いたいことがお分かりだろう。

「右からケアプランを作り始めるケアマネジャー」に担当されることは悲劇を生む

ことになる。

私としては、長年お世話になっているこの業界への恩返しのためにも、”右利き”を

”左利き”に矯正することに微力ながら尽力したいと思っている。