日々の暮らしの中でも、仕事をしていても、
ある程度年齢を重ねていくと、自分の”生き方”について考えることが増えてくる。
例えば、仕事を続けていく中で「私は生涯、現場の一職人であり続けたい」と考え
る方もいるだろうし、「ある程度の年齢になったら、管理部門に回って、後進者を
育成したい」と考える人もいることだろう。
別段、どちらの考え方が正しいかどうかを問いたいわけではない。ただし、職人で
あり続けることは、自分の存在意義を見出しやすく、目に見える形で成果を実感し
やすように思うので、「生涯現場!」との考えは十分に理解できる。
私は数年前までは、「一職人でありつつも、必要な管理を行いながら同時に後進者
を育成できればいい」などと考えていた。
ただ、年齢を重ね、管理や育成といった役割が増えてくるにしたがって、一職人と
しての役割を担うことが難しくなってきた。
管理や育成といった役割は、第三者からその内容や成果が見えにくい傾向にある
ため、正当に評価されないことや誤解されることが多くあるように思う。
独立する直前にお会いした経営者の先輩に「経営者は孤独な稼業だよ」と教えられ
たことをフッと思い出した。
そう感じるようになってから、自分が積極的にお付き合いする方が、同世代の人
から世代を問わず経営に携わっている人へと変わってきたことに気が付いた。
人の上に立つ者や先頭を走る者は、矢面に立つことが多く、批判に晒されやすい。
そのうえ正当な評価が得られにくい。
意識して自分の拠り所を探していたわけではないのだが、自然とそういった人たち
との付き合いが増えていった。
だからといって、今の境遇を悲観しているわけでもないし、正当な評価が得られな
いこともある程度はやむを得ないと納得している。また、やりがいのようなものや
楽しみを感じることも多い。
あとは、ただひたすらに自分の役割を全うするのみである。