先月の下旬に相談を受けた『末期がん』を患っていたご利用者が、つい先日
お亡くなりになった。
この場を借りて、ご冥福をお祈り申し上げたい。
主治医から「予後1ヶ月と考えている。」と言われた通りの結果になってしまったが
あまりにも早く、残念な思いがこみ上げた。
今回のような、いわゆる『ターミナル期』の対応においては、在宅のケアマネー
ジャーの役割や提供すべき情報が通常と若干異なることが多い。
介護保険制度上、ケアプランの作成者はケアマネージャーであるが、日々刻々と
病状や状態が変化する中においては、頻繁にアセスメントしてケアプランを修正
していても、事が間に合わない場合が多い。
また、アセスメントするための材料が、医療ニーズによるところが多いため、担当
医師を中心とした医療チームが中核となってアセスメントとプランニングを行う
ほうが実利に適っている。
そのため、必要なプランニングとサービス調整を行う他は、『裏方にまわる』こと
に徹して、医療チームをサポートすることが重要と考えている。
事実、今回のご利用者が利用した福祉用具の選定は、医師や訪問看護師の見立てを
ほぼ、そのまま採用した。
その日に面談した時点で、自力でトイレまで歩行できていたにもかかわらず、
主治医から「今すぐ、特殊寝台(電動ベッド)と車いすを用意したほうがいい。」
と言われても、こちらとしては中々ピンっとこない。
しかし、結果をみると、それらの福祉用具を導入した4日後には、自力で起き上が
ることも歩くことも難しくなっていた。
お亡くなりになる前日に、家族と面談していた時の会話は、通常のモニタリング
訪問時のものとは大きく異なり、「マンションの名義はどのように変更したらよい
のか? 相続登記って何? 本人名義の通帳の解約手続きってどうやるの?」と
いった内容がほとんどであった。
最終的には、知人の司法書士を紹介したが、こうした内容についても、ある程度
は情報提供する責務がケアマネージャーにはあると考えている。
ご家族にとってみれば、看病中も非常に大変な思いをするが、亡くなられた後も
より一層、混乱や不安に苛まれることになる。
こうした状況にも『寄り添えるケアマネージャー』であり続けたい。