先月から『育児ノイローゼで幼いわが子を殺害してしまう』という題材のテレビ
ドラマを見ている。
回を追うごとに見ているこちらの気持ちも沈んでくるので、途中で視聴を止めよう
かとも思ったが、何となく結末が気になり、結局見てしまっている。
ドラマの中では、『育児に非協力的な夫』、『悪意のない一言を投げかけて本人を
追い込む実母と姑』、『他者の意見に翻弄される意志の弱い本人』、『本件は特殊
な状況によって生じた事件で一般人には関係ない』などの切り口で裁判が進行して
いく。
このドラマを見ていて思うことは、『高齢者虐待』と非常に似た状況が描かれて
いることだった。
援護を必要としている人を援護者の勝手な言い分で傷つけたり、殺害するなどと
言うことは到底受け入れられない。
ただし、そのような状況に至った背景に目を向けずして、臭いものにふたでもする
かのように、加害者を一方的に断罪することもまた、受け入れがたい。
高齢者介護に携わる我々は、虐待に関わるニュースを見て、「ひどいことをする人
もいるもんだ。」とか「私たちのところでは起こりえない。」などと傍観するので
はなく、些細なきっかけでニュースと同様のことが身近でも起こりえるという自覚
をもって職務に臨むべきだと考える。
今週中に最終話が放映されるが、楽しみではない最終話を待つのは初めてである。