大学に籍を置いていた1990年代、『2025年問題』をよく耳にした。
それは、人口割合が他の世代と比較にならないほど多い『団塊の世代』が後期高齢
者(75歳以上)となるのが2025年で、それに伴って医療費や介護費が爆発的
に膨れ上がるという問題である。
そういった話を聞いていた当時は、「ずいぶんと先の話しだなぁ~。」ぐらいに
しか思っていなかったが、年々その年が近づいてきており、今でもその予兆を実感
している。
こうした時代を迎えて、高齢者介護を業とし、住みよいまちづくりを理念に掲げて
いる我々は何を考え、どのように行動に移すのかが問われているように思う。
「高齢者が増えるということは、顧客が増えるんだからいいことじゃない。」と
無責任に言ってくる人はいるが、問題はそう単純ではない。
人的、経済的な支援者や担い手がいなければ問題が解決しないどころか、状況は
悪化の一途をたどることになる。
「高齢者に直接関係はないから。」といって嫌煙するのではなく、これからを担う
若者をどのように支援し後押しをしていくかということについても積極的に考えて
いかなければならい。
そのために必要となれば事業化も検討したいと考えているし、『限られたパイ』を
高齢者事業にばかり配分を要求するのではなく、バランスよく配分できるような
秩序と常識をもった行動をしたいと考えている。
「そのためには何をしなければならないのか。」という課題は、今日明日では
答えは見えてきそうもない。