北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

科学的介護(その2)

2019.11.13

昨日の続き・・・。

 

「より科学的な検証に裏付けされ、客観性が担保された根拠を持って支援する。」

ことによって、今まで報われなかったご利用者や従事者の多くが救われることに

つながると思う。

 

ただ一方で、科学的なデータ上から漏れてしまうケースも少なからずある。

 

その科学的なデータは、集積した総数から平均値を導き出し、同時に対応について

も平均的な数値を当てはめることになる。

そのため、「一般的な対応」として適切な介護が数値化される。

そうすると、平均値から大きく外れた少数派の人にとっては、不適切な対応が

行われる危険性が高い。

 

『オーダーメイド』から『オートメーション』へと変化していく中で、少数派が

切って捨てられてしまうか、多数派にむりやり入れ込んでしまう危険性をはらんで

いる。

 

介護福祉の分野は、支援のあり方が生命や生活維持に直結するケースが数多くある

ため、そういった考え方の中に身を置く少数派にとっては「死を意味する」事にも

繋がりかねない。

 

『科学的な根拠=万能な介護』ではない。

 

科学的介護を提唱する竹内医師による『竹内理論』がもっぱら流行っている。

この理論では、「認知症状等を抱える高齢者の多くは慢性的な脱水状態にある

ため、1日1500ccの水分を摂取することで症状が改善あるいは予防することが

できる。」といったものであるが、確かに少なからず症状が改善する高齢者が

いる。

がしかし、その理論に当てはまらない人もいる。

にもかかわらず、「多くの人に当てはまるのだから。」という理屈で同じように

対応した結果、生命の危機に瀕している事例が後を絶たない。

 

科学が進歩しても、それを使う人間がその技術に追いついていなければ、諸刃の剣

となってしまう。

 

『オートメーション』一辺倒では、より多くの人を救うことはできない。