ときどき、現役のケアマネージャーから「在宅緩和ケアにおけるケアマネジメント
が難しい。どうしたら良いのか。」と相談を受けることがある。
「利用者がどんな状態にあってもケアマネジメントの考え方は一様である。」と
言いたいところであるが、少し違う。
ケアマネジメントの基本的な流れは、『情報収集⇒課題分析⇒計画作成』をした上
で、関係者を一堂に会するサービス担当者会議を開催して、支援が始まる。
支援が始まると、計画通りに支援が実施されているかどうかをモニタリングする。
これらの流れは、ケアマネージャーが中心となって行うこととなっている。
しかし、在宅緩和ケアの場合は、ご利用者の状態が週単位や日単位で変化すること
が多く、『情報収集⇒課題分析⇒計画作成』などを悠長にしている時間がない。
また、情報収集や課題分析は『全人的な痛み』といった医学的側面が強いため、
医師を中心とした医療職チームがケアマネジメントの大部分を担うことになる。
そうした場合であっても、ケアマネージャーが忠実かつ誠実に『通常モード』の
ケアマネジメントを展開しようとすると、必要なサービスの利用機会を逸して
しまうことや不十分な医療情報の収集によって誤ったケア体制をひいてしまうこと
がある。
結果として、ご利用者及びご家族が大きな不利益を被ることになる。
また、訪問看護という介護サービスは、介護保険制度下のサービスであると同時に
病状や疾病によっては医療保険制度下のサービスに切り替わる性質を持っている。
いずれの制度下にあっても主治医の指示に基づいてサービス提供を行う訪問看護は
介護保険制度下ではケアマネージャーが作成する計画書の位置づけの中でサービス
内容を組み立てることになるが、医療保険制度下ではケアマネージャーが作成する
計画書の影響を受けない。
つまり、医療保険制度下でサービス提供を行う訪問看護は、ケアマネージャーとの
関係が希薄になってしまう。
ちなみに、在宅緩和ケアの状態にあるご利用者が利用する訪問看護は、医療保険
制度下でサービス提供を行うことになる。
こういった状況から在宅緩和ケアにおけるケアマネジメントを適切に行うことが
できずに彷徨ってしまうケアマネージャーが少なからずいる。
では、どう対処することが良いのか?
話しが長くなったので、続きは明日に持ち越したい。