昨日の続き・・・。
在宅緩和ケアにおけるケアマネジメントを適切に行うためには、具体的にどのよう
に対処したらよいのか。
まず申し上げたいことは、ご利用者やご家族の生活状況を把握しており、医療面の
知識や技術を持つ『訪問看護師』が中心となってケアマネジメントを行うことが
有効であり、最も効率的であるということだ。
ただし、ケアマネージャーの役割が全くないわけでもない。
必要な介護サービスや経済的側面から利用可能な諸制度の利用調整、ご家族を含め
たインフォーマルな社会資源を把握し調整することなど、役割はたくさんある。
つまり、昨日述べた『通常モード』では、ケアマネージャーがひとりで担っていた
役割を訪問看護師と二人三脚で行うということである。
また時として、ケアマネージャー自身がメインで担っていた役割を訪問看護師に
委ねて、裏方としてサポート役に回る動きが求められることもある。
このように適切なケアマネジメントを可能にするためには、ケアマネージャーと
訪問看護師との間で、単なる連携を深めるというところで留まるのではなく、信頼
関係の構築がより重要となる。
在宅緩和ケアでは、サッカーになぞらえると、正確なパス、ポジションチェンジ、
アイコンタクト、そして正確なシュートが求められることが非常に多い。
急場しのぎのチームではこれらを実現し、継続することは難しい。
当方のケアマネージャーが所属する居宅介護支援事業所と訪問看護ステーションは
同一フロア内にあり、常時密接にかかわることができるようにしている。また、
訪問診療所も隣接敷地内にあり、これらの三者が日常的にコミュニケーションを
図ることができるようにしているだけではなく、定期的にケアカンファレンスを
開催して、連携を深めつつ相互理解にも努めている。
個々の技術の向上も当然必要ではあるが、チーム作りもまた重要である。