北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

目利きは一日にしてならず

2023.4.18

私には、同業異業あるいは規模の大小を問わず、多くの経営者仲間がいる。

その方々は、時に知恵袋となってくださったり、時に直接間接的な支援者となって

くださったりと、大変ありがたい存在であり、私の財産である。

 

その方々と経営談義に花を咲かせることが数多くあるのだが、色々な考え方がある

ものだと感心させられる。

ある経営者とお話をしていた際に、その方が「収入を増やすことにばかり気を取ら

れている経営者はダメだ。当然、収入を増やすことは大事だが、同時に支出を抑え

ることも考えないと経営は息詰まる。」とおっしゃっていたことが私の経営理念の

基礎となっている。

 

稼ぐことができるときにしっかりと収入を増やすことは経営の鉄則と言えるが、

稼いだ分だけ散財したのでは意味がない。収入を増やすことと同じ熱量で、必要な

経費の見極めも非常に重要である。そして、思うとおりに収入を増やすことが難し

い時期にはその“目利き”が生きてくる。

 

ここ最近の国会では、少子化対策に係る財源をどのように捻出するかについて話し

合われている。そして、その議論の中心に「社会保険料等の個人負担の増額」や

「高齢者介護福祉にかかる財源の一部を少子化対策に移行」がある。

当ブログで繰り返し訴えている通り、私はこの考え方にはおおむね賛成している。

 

しかし、この件に関する国会の議論で欠落していることがある。

それは、財源という名の収入を増やすことばかりを取り上げており、社会保険サー

ビスの量という名の支出については何一つ話し合われていないことである。

 

介護予防や軽度要介護者に係るサービスの全てを社会保険サービスと位置付ける

ことについては、流石に“散財”とまでは言うつもりはないが、支出の見直しという

点においては話し合われなければならない内容であろう。

特に、全く効果が出ていない『介護予防短期集中プログラム』は公的サービスとし

て継続することはやめるべきだし、『要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、

通所介護を市町村が運営する総合事業へ移管』はさっさと実行に移すべきだろう。

そして、公的サービスの廃止や移管の代替となる受け皿づくりに取り組まなければ

ならない。

 

これから先は、労働者人口が減り、労働者の所得が思うように上がらず、物価だけ

が急上昇する事態がしばらく続くことになる。そうなると、財源という名の収入を

増やすことが難しくなってくる。

必要な経費を見極める“目利き”が無いと、財源が豊富にあるときは無駄な施設を

バカバカ建てて散財し、財源が無くなれば必要な公的サービスをバンバン切って

捨てるといった強引で乱暴な政策となってしまう。