北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

地味だけど大きな効果が期待できる

2023.6.19

3年に一度見直しが行われる『介護保険制度改定』を次年度に控えて、業界内で

様々な内容について議論されている。

 

しかし、私はその議論の多くに疑問を感じている。

なぜなら、その議論が「サービス量を維持し、負担額も維持することが正しい」と

いうことが前提となっているからである。

何だか、そのような議論って、バブル期を謳歌したことがいまだに忘れられず、

そのことを引きずったまま今の時代を生きている人を見ているようだ。

 

残念ながら、国際的に見ても国内の事情を加味しても、絶頂期ほどの経済力は今の

日本にはない。さらには、総人口が減り続け、生産年齢人口が激減し、ここ数十年

の出生者数は減少の一途をたどっていることから、労働者数だけではなく税収も

大幅に減少していく。

使うことができるお金も人も潤沢にあった30年前と今とでは大きく違う。

そういった状況を踏まえて議論していかなければならない時に、いつまでも古き良

き時代の思い出に浸りながら夢を語っていても、生産性のある議論は生まれない。

 

担い手が少ないのであれば、少ないなりのやり方を考えていかなければならない。

そのために「外国人労働者を積極的に受け入れていこう」とか「ICTやロボットの

導入を積極的に行っていこう」という考え方は間違ってはいないが、現状ではほぼ

役に立ちそうにない。本来、そういった人や物が必要となった時までに揃えて準備

しておくべきだったが、今から慌てて準備してもとてもではないが間に合わないし

待ってもいられない。

将来的に準備したことが役に立つ日が来ることを望みつつも、今この難局をどの

ように乗り越えていくのかについて具体的に話し合われなければならない。

 

たとえ高齢者人口が増え続けるとしても、担い手が減り続けるのだから、サービス

の量を維持するなど不可能なことだ。サービスの量を減らすことが大前提となって

議論していかなければならない。そして、何をどのように減らしていくのか、また

減らした公的サービスの代替えとなる(インフォーマル)サービスを早急に組み

立てていかなければならない。

 

ただ、インフォーマルなサービスは新たに創造しなければならないわけではない。

各地域に根差しているインフォーマルな活動は探せばいくらでもある。そういった

活動を探し出して広く周知するだけでも大きな効果が期待できるし、ロボット等の

開発ほどの手間や時間、お金はかからない。

 

私たちとしては、先週より再開した『自主事業』がインフォーマルなニーズにお応

えできるように地道に活動していきたいと考えている。