北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

行政が優劣の評価?

2023.7.11

先日、道庁から『北海道働きやすい介護の職場認証制度』とかいう案内文書と

リーフレットが届いた。

その中身は、4分野11項目からなる認定基準が設けられており、その基準をクリ

アした事業者が十数法人列挙されていた。

 

名前が挙がっていた事業者は、道内でもかなり著名な法人ばかりで、私が尊敬する

方が法人の代表をしているところもあった。しかし、よく見ると「っん?」と首を

かしげたくなる法人も名を連ねていた。介護業界に身を置く者であればよく知って

いる、劣悪な職場環境で離職率も非常に高い法人も載っている。

 

この様を見て、あることを思い出した。

国が主導する『サービス情報公表制度』である。

平成18年4月からスタートした制度で、利用者が介護サービスや事業所・施設を

比較・検討して適切に選ぶための情報を都道府県が提供する仕組みで、事業者は

国が定めた項目に入力して登録することが義務づけられている。

 

その定められた項目にすべてチェックが付いた事業者が「優良事業所」という扱い

になることを前提として生み出されたこの制度だが、ふたを開けてびっくりの状況

が続いている。

大きく報道でも取り上げられた「日常的にご利用者に暴力をふるっていて、経営側

もその事実を隠ぺいしていた施設」が、この制度では「優良事業所」と位置付けら

れていた。そして、こうした状況が相次いで起こった。

業界からはもとより一般の方からも「どこが優良なんだよ!」とツッコミが入ると

ともに「この制度意味あんのかよ!」との批判が相次いだ。

 

そもそも行政が事業者の優劣を決めようとする発想がどうかしている。

行政には、優劣がわかる目利きの能力はない。黙って指導監督の役割だけを担って

いればいい。不得意分野にまで口出す必要はない。

味の優劣がわからない人やその店で食事をしたこともない人から「この店の料理は

まずい」と言われることほど納得のいかないことはない。

どうしても優劣をつけたいのであれば、地域の方々や実際にその法人とかかわった

方々に評価していただいた方がいい。その方がどんな結果が出てもその法人は納得

できるはずだ。

 

それでも性懲りもなく、『サービス情報公表制度』は今もなお続いているし、道も

猿真似で新たな認証制度を作ってしまった。

うがった見方にはなるが、なんだか利権のにおいがプンプンする。