北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

希少ケースに対する研修の充実

2023.9.26

厚生労働省が『難病ケアマネジメント』をテーマとするセミナーを来月オンライン

で開催するようだ。来年度から介護支援専門員法定研修に同内容のカリキュラムが

追加されることもあって、準備を進めているということだろう。

 

難病とは、「発症の原因や治療方法が確立されていない希少な疾病」のことを指し

さらに、「客観的診断基準が確立していて、患者数が少ない疾病」を国が指定して

重症度によって医療助成を行うこととなっている。

 

我々が日々かかわる介護保険サービスのご利用者の中にも、難病を患っている方が

大勢いる。しかし、全体数からみると”希少なケース”であり、疾患に対する理解度

も一般的な疾病と比較すると深まっていないこともあって、ケアマネジャーが経験

不足や知識不足によって、十分な対応ができていないとの指摘を長年受けてきた。

 

事実、私が担当したALS(筋萎縮性側索硬化症)患者で人工呼吸器を装着して在宅

生活を営んでいたご利用者は、その当時江別市内にはその方一人しかいなかった。

(ご本人からは、こうした場で情報提供することは予め了承を頂いている)

そのため、この件に関しては、私と同様の経験を経ずにケアマネジャーを続ける方

が圧倒的に多いということになる。また、この疾病に関する情報や知識は、実際に

担当しているか担当していないかによって状況は大きく変わると思う。

まず、フォーマルサービスは複数の社会保険制度を併用して利用することになる

ため、各制度を熟知しておく必要がある。また、インフォーマルサービスについて

も他には類のない独自のサービスがあるため、そのことに関する情報も持っていな

ければならない。(正直、私はかなり苦労した)

 

だからこそ、いつ難病患者の担当となっても十分なケアマネジメントが行えるよう

介護支援専門員法定研修に同内容のカリキュラムが追加されることは、とても素晴

らしい動きだと感じられる。

もう一つ欲を言うと、

難病ケアマネジメントと同程度に、『ターミナル期におけるケアマネジメント』に

関するカリキュラムも充実させてほしい。

 

以前に当ブログでも伝えた通りであるが、ターミナル期におけるケアマネジメント

と、他のケアマネジメントとではケアマネジャーの担うべき役割や収集すべき情報

が若干異なる場合が多い。

介護保険制度上、ケアプランの作成者はケアマネージャーであるが、日々刻々と

病状や状態が変化する中においては、頻繁にアセスメントしてケアプランを修正

していても事が間に合わない場合が多く、そのスピード感が通常と全く違う。

こうした場合、医師を中心とした医療チーム主導のもとでケアマネジメントを展開

することが求められてくる。

 

それにしても、ケアマネジャーが要求される知識や技術の量がどんどん膨らんで

きているように感じる。とてもではないが、一人のケアマネジャーの力量でどう

にかできる状況ではなくなってきているように思える。

そう考えると、少人数のケアマネジャーしか配置されていない居宅介護支援事業所

は、ますます厳しい状況に置かれるのではないだろうか。